AIが返してきた「秒速・値上げ予告メール」

 このプロンプトに対し、AIはおおむね次のようなメールを生成します。

-----------------AIからの回答-----------------------
 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、すでにご高承の通り、昨今の原油高および為替相場の変動により、樹脂や金属などの原材料費に加え、物流費や電気代が高騰し続けております。

 弊社といたしましても、生産工程の見直しなど徹底したコスト削減に限界まで努めてまいりましたが、もはや自助努力のみで吸収することは不可能であり、現在の価格設定では事業継続が困難な状況に達しております。

 つきましては、貴社へ今後とも高品質な製品を安定供給し続けるという責任を果たすため、誠に不本意ではございますが、来月1日の発注分より全商品を一律15%改定させていただきたく存じます。

 貴社におかれましても厳しい事業環境の折とは存じますが、持続可能なパートナーシップを維持するための不可避の措置として、本条件にて何卒ご理解とご承諾を賜りますようお願い申し上げます。
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なぜ、このメールは“受け入れられる”のか

 ポイントは3つです。第一に、不可抗力であることを論理的に提示している。冒頭で「原材料費や物流費の高騰」という外部要因を並べ、「自助努力はやり尽くした」と続けることで、相手に「これは仕方ない」と納得させる流れができている。

 第二に、過剰な謝罪がない。「不本意ではございますが」程度にとどめ、卑屈にならない。だから足元を見られない。

 第三に、値上げを“自社の利益確保”ではなく“貴社へ安定供給するため”と再定義している。相手にとってもメリットがある話、という構図に持ち込んでいるのです。

「いい感じで」と丸投げしていては、絶対にこの構造は出てきません。F.G.S.メソッドの力は、人間側が伝えるべき情報を3つに整理させてくれるところにあります。胃の痛い「気が重いメール」こそ、AIの真価が発揮される領域なのです。