住宅価格が高騰している今、少しでも低い金利で借りたい気持ちは十分に理解できる。しかし、変動金利型ローンの仕組みはかなり複雑であることを必ず知っておきたい。

 住宅ローンの金利タイプは、「変動金利タイプ」と「固定金利タイプ」に大別される。

「変動金利タイプ」は、年に2回金利を見直すもので、日銀の「政策金利(短期金利)」に連動する。一方、固定期間が1年以上は全て「固定金利タイプ」で、フラット35や銀行の10年以上の固定金利は、「長期金利(10年物国債の利回り)」に連動する。

 変動金利と固定金利で、金利の動きに影響を与える指標が異なることは、住宅ローン金利を選択する上で重要なポイントとなる。

 さらに金利が上昇する局面では、「長期金利のほうが短期金利よりも先行して上がる」というのが経済の約束事だ。

 短期金利は、日銀の政策金利の動きに連動するため、毎月変化があるわけではない。政策金利が話し合われる日銀の金融政策決定会合は、原則年8回。銀行の変動金利の見直しのタイミングは4月1日と10月1日の年2回のため、政策金利の利上げが行われたとしても、変動金利が上がるのは数カ月後になる。

 一方の固定金利に影響を与える長期金利は、日銀の政策金利と違い、日々動く「生もの」。このため固定金利は毎月見直される。当月1日から適用される金利は、多くの銀行では前月末に決まるため、20日以降に長期金利が上昇すると、翌月の固定金利も上がる傾向にある。

 では、「ギリギリまで金利の低い変動で借りて、本格的に金利が上がる前に固定に切り替える」というプランは有効か。

 前述のように、金利が上昇する局面では、長期金利のほうが短期金利よりも先行して上がるというのが経済の約束事。

 つまり「ギリギリまで変動金利を利用、あとで固定金利に切り替える」プランは現実的ではない。なぜなら、変動金利が上がる頃には、固定金利はすでに高くなってしまい、心情的にも家計的にも、高い金利に切り替えできなくなるからだ。