仕組みをさらに複雑にする
「1.25倍ルール」とは?
5年経過すると返済額の見直しがされるが、返済額は前の返済額の最大1.25倍までというルールを設けている銀行が大半だ。これを「1.25倍ルール」という。
例えば、最初の5年間の返済額が10万円として、見直し時期に金利が上がっており、再計算すると13万円になったとする。しかし、「1.25倍ルール」により、返済額は最大12万5000円に留まる。
5000円少なくなると喜んではいけない。利息額は通常通り取られるので、元金充当額が減るのだ。これにより、残高の減りがますます鈍くなる。
つまり、ずっと変動金利で借り、金利上昇が続くと、当初の完済時期までにローンが終了しないということだ。
しかし、変動金利型ローンの契約書には「最終回で残高がある場合は、一括で返済すること」と明記されている。
一見、落とし穴のような仕組みだが、銀行には悪気はない。
この2つのルールができたのは1982年。当時は景気も金利も毎月のように「上がったり、下がったり」していたので、その都度、返済額が変動することを避けるために「サービス」として作られた仕組みなのだ。
仕組みはシステムによるものなので、ほとんどの銀行は当時のシステムのまま2つのルールを継続しているが、ソニー銀行など一部の銀行では「契約者が金利上昇を実感しにくくなる」と、採用していないところもある。
変動金利型住宅ローンは、仕組みが複雑すぎるため、金利上昇局面ではリスク制御が難しい。どうしても変動金利で借りたいなら、借入額を少額にするか、夫婦ペアローンで固定と変動を組み合わせるなど工夫をするのが得策だ。
固定金利の代表といえる、住宅金融支援機構の「フラット35」の金利が割安だ。35年間の固定金利で、5月の最頻金利は2.71%と銀行の10年固定の3%前後の水準よりも低い(融資率9割以下)。
さらに国の政策により、購入する住宅の性能、家族構成などにより、当初5年間の金利を最大1%引き下げるメニューもあるので、選択肢に入れて検討することをお勧めする。







