米食品医薬品局(FDA)は混迷状態にある。マーティー・マカリー長官は去った。同局高官は大半が更迭され、現場を支える科学者や医学専門家の陣容は大量解雇と辞任で空洞化した。FDAがこの衝撃から立ち直るには数年を要する可能性がある。だが投資家の懸念は、現実には薄れつつある。ワクチン懐疑論や製薬会社への敵対姿勢を掲げる「MAHA(メーク・アメリカ・ヘルシー・アゲイン=米国を再び健康に)」運動の台頭は、ロバート・ケネディ・ジュニア氏が厚生省のトップに就任して以来、バイオテクノロジー業界に暗い影を落としてきた。ケネディ氏は依然として厚生省のトップに君臨しており、MAHA運動は今も米国民の一部に対して影響力を持っている。しかしウォール街は、製薬会社に投資する際の政治的リスクの優先順位を下げた。懸念事項の序列の中で、それは今や金利や臨床データ、業績よりもはるかに下に位置している。