仲間由紀恵の抜群にうまい芝居に感動…高貴な役が似合うだけじゃない!女優の意外な演技〈風、薫る第39回〉『風、薫る』第39回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて12年目の著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第39回(2026年5月21日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

りん、医者に直談判

『風、薫る』の物語としての存在価値が浮き上がってきた。第39回のラストでそれが示される。順に見ていこう。

「奥様にもう少しご配慮いただきたいのです」

 りん(見上愛)は思いきって医者たちに頼む。

 千佳子(仲間由紀恵)に上等病室を用意し、どの患者よりも気を使っているように見えて、実は肝心なところに気が回っていないことをりんが指摘する。

 例えば、なるべく人の目に触れないよう注意を払いながら、まめに診察していることが、かえってよくないというのがりんの見立てだ。男性の家族の前で診察されることがしんどいのではないかとりんは察したのだ。

 それもごもっともと、医者たちは意外とすんなり認め、今後は診察室で診察を行うことになった。

 黒川(平埜生成)が今井(古川雄大)に助言したのだが、素直じゃなく、りんに「君に礼を言われる筋合いはない」とあしらう。よく、助言してくれたね、ありがとうと素直に認めればいいのに。園部(野添義弘)のときも、りんのほうが患者の状態を気遣っていた。

 多江(生田絵梨花)のときもそうで、看護婦たちが、医者が気づかない細やかな点に目配りが利いているという描写が続いている。看護婦の物語なので、そこを何度も描き続けるのはいい。ただ、演技巧者たちが、新人看護婦に指摘されるばかりの、とほほな役割なのが残念。

 黒川は平埜生成が演じているのもあって、もしかしたら実はいい人なのかもと期待したい。

 千佳子に忠実な女中を演じている円城寺あやも野田秀樹の劇団・夢の遊眠社の看板俳優のひとりであった名優である。ドラマではいつも控えめにしているが、ちょっとした局面でも、かすかに表情を変えている。千佳子の心中を慮っているのが印象的だ。円城寺は、仲間由紀恵も出ていた『ちむどんどん』では、主人公の義母の家で働いている家政婦役で人気を博した。