「これらを使いこなせれば、MBAで学習する課題の8割以上に対応できる」
そう謳うのが、書籍『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(ダイヤモンド社)だ。この本は、国内で圧倒的なシェアを占める日本No.1のビジネススクールであるグロービスが、授業やコンサルティングの現場で定番となっている「有名フレームワークTop100」を厳選し、使いやすさを重視して図解したビジネス書である。
ビジネスの定石であり先人の貴重な知恵であるフレームワークを使いこなせれば、それだけでビジネスパーソンの生産性は何倍にも上がるという。
この記事では、そんな同書から一部を抜粋・編集し、あらゆるビジネスパーソンにとって強力な武器となるフレームワークの重要性について紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・上村晃大)

論理的で仕事のできる人が図に落としこむときに必ずやる「たった1つのこと」Photo: Adobe Stock

頭のいい人は「重なり」を見逃さない

 ビジネスの現場において、新しい施策を打ったりターゲットを決めたりする際、ただ頭の中だけで考えていると、思わぬ見落としが生じます

「この新商品を出すと、既存商品の売上を食ってしまうのではないか?」
「2つのターゲット層は、どの程度重なっているのか?」

 圧倒的に仕事ができる人は、こうした複雑な事象を直感だけで判断しません。彼らは、複数の集団がどのように関係しているかを可視化する強力なフレームワークを使いこなしています

数学の概念である「ベン図」をビジネスに使う

『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』では、集団間の関係性を一目で把握するためのツールとして、「ベン図」が紹介されています。

 その基本的な構造とビジネスへの応用例について、次のように解説されています。

 ベン図そのものは数学の概念ですが(数学者のベン博士が提唱しました)、ビジネスにも応用できます。特に複数の集団があるとき、その関係性を見ることで、マーケティングや経営戦略、人材マネジメントなどの意思決定に活かすことができます。
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』48ページ
 マーケティングでは、こうしたカニバリゼーションの度合いを事前リサーチなどで推定し、新商品のもたらす純増を推測します。2つの集合が重なる大きさを確率の計算で求めるシーンも多くあります。特に2つの集合に含まれる確率がそれぞれ独立である(お互いに影響を与えない)場合、簡単な計算で求めることができます。
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』50ページ

見えない関係性を可視化して、精度の高い決断を下す

 優秀なビジネスパーソンは、この「ベン図」を単なる数学の図形として終わらせず、リアルな意思決定に直結させています。

 たとえば、新商品が既存商品に与える影響(カニバリゼーション)を事前に見積もったり、複数のニーズを持つ顧客層の規模を確率の計算を使って冷静に推測したりしています

 頭の中だけで「なんとなく重なっているだろう」と考えるのをやめ、図に落とし込んで論理的に整理する。

 このフレームワークを使いこなすことで、複雑に見えるビジネスの課題をスッキリと整理し、精度の高い決断を下していきましょう。

(本稿は、『フレームワークBEST100』の内容をもとに構成したオリジナル記事です)