「これらを使いこなせれば、MBAで学習する課題の8割以上に対応できる」
そう謳うのが、書籍『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(ダイヤモンド社)だ。この本は、国内で圧倒的なシェアを占める日本No.1のビジネススクールであるグロービスが、授業やコンサルティングの現場で定番となっている「有名フレームワークTop100」を厳選し、使いやすさを重視して図解したビジネス書である。
ビジネスの定石であり先人の貴重な知恵であるフレームワークを使いこなせれば、それだけでビジネスパーソンの生産性は何倍にも上がるという。
この記事では、そんな同書から一部を抜粋・編集し、あらゆるビジネスパーソンにとって強力な武器となるフレームワークの重要性について紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・上村晃大)

「なんでもマトリクスに当てはめる残念な人」に教えてあげたいこと・ベスト1Photo: Adobe Stock

分析ツールを知っているだけの「頭でっかち」

 ビジネスの現場で課題に直面したとき、物事を整理して考えることは不可欠です。

 しかし、フレームワークなどの分析ツールを知っているだけで、全く使いこなせていない人がいます。

 今回は、思考を整理する基本ツールである「マトリクス」を使う際に、残念なビジネスパーソンが見落としているポイントについて取り上げます

ベスト1:「軸の設定にこだわる」

 物事を整理する際によく使われる「マトリクス」について、『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』では次のように解説されています。

 マトリクスとは、2つの軸を取り、多くの場合2×2の4象限に物事を切り分ける分析方法です(図表1)。マトリクスもMECE的な発想に基づいており、本書で取り上げるさまざまなフレームワークのベースになっています。
 マトリクスは、大きく分けると「セル型」と「ポジショニング型」の2つのタイプがあります。さらにはそのいいとこどりをした「複合型」もあります。
「なんでもマトリクスに当てはめる残念な人」に教えてあげたいこと・ベスト1図表1 マトリクス
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(28~29ページ)
 マトリクスを有効たらしめる最も重要なポイントは、軸の設定・選択です。目的を正しく理解した上で、それにかなう軸を検討し、選ぶことが大事です。たとえば、従業員の実態調査を行い、人事施策に活かす場合、「スキルの高低」と「エンゲージメントの高低」のマトリクスを作り、分析するのは非常に有効でしょう。一方で、「出身地」の軸と「人件費の高低」の軸で分析を行っても、多くの組織ではあまり有効な示唆は得られないでしょう。
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(31ページ)

 この文章が指摘している通り、マトリクス分析で最も重要であり、かつ最大の罠となり得るのが「軸の設定」です

 残念な人は、ただ「2×2の枠」を埋めること自体が目的になり、問題の核心からズレた無意味な軸を設定し、いくら分析しても何も解決策が生まれない「死んだマトリクス」を作ってしまいます

「何のために分けるのか」を見失わない

 セル型であれ、ポジショニング型であれ、分析の目的は綺麗な図を作ることではありません。「どこに問題があるのか」「次にどのようなアクションを起こすべきか」を導き出すことです。

 そのためには、常に「何のためにこの分析をしているのか」という目的を正しく理解し、それに直結する「変数(軸)」を見極める必要があります。ツールに使われるのではなく、自らの頭で考え、意味のある決断を下していきましょう。

(本稿は、『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』の内容をもとに構成したオリジナル記事です)