投資とは、NISAやiDeCoなどのように、長い時間をかけてコツコツと資産を増やしていく方法です。

 ただ、投資は長期運用がベストだと分かっていても、その途中で、資産の価格は何度も上下を繰り返します。皆さんは、自分の持つ資産の価格が下がっていても、気にしないでいられるでしょうか。

「日経平均株価が暴落した」というニュースが流れたとします。暴落のときは、いくつもの要因が重なることが多く、すぐには今後の展開が見通せません。自分の持つ株式や債券の価格もすでに下がっているでしょう。

「明日はもっと下落するのではないか」と不安になり、「今のうちに売れば、キズは浅くて済むかもしれない」と、持っている資産を売却したくなるのが人間の心理というものです。

 結果的に、一番安いタイミングで売っていたり、逆に、価格が上がっていく過程では、高いタイミングで買っていたりすることがしばしば起きます。

「分かっていてもできない」ところに長期運用の難しさがあります。

 でも落ち着いて考えれば、景気は良くなったり悪くなったりするのですから、投資資産の価格が上下するのも当然のことなのです。長期運用していれば、上下を繰り返す中で、価格は平準化されてくるので、焦る必要はありません。

 長期運用こそが投資の醍醐味と思ってください。

一喜一憂しない心を育てるには
予習・復習が欠かせない

 大切なのは、「自分で考える」ことです。

 ギャンブルと投資は、手法は違っても、共通点はたくさんあります。ともに、目標は資産を増やすことであり、そのために予習・復習をすることです。

 競馬はギャンブルの代表例ですが、当たる確率を高めるため、馬の血統やこれまでの成績、騎手と馬との相性、馬場情報、当日の天候などを調べたり、パドックで歩く馬を観察したりして、レース展開を予想します。そして、レース終了後には、勝因や敗因を分析し、次のレースに活かすはずです。

 投資もそれと似ています。

『経済はお金から学べ』書影経済はお金から学べ』(堀井正孝、SBクリエイティブ)

 投資での予習とは「経済を学ぶ」ことです。お金の流れを理解しておけば、経済ニュースが出たときに、何が起こったのか、何にどう影響するのかを自分で考えることができます。価格が上下しても一喜一憂せず、「株価は下がって当然だったな」と納得したり、「そろそろ上がり始めるはず」だと買い増しを考えたり、焦らずに投資戦略を練ることができます。

 競馬同様、予想が外れたときは、その理由を分析して、次の機会に活かせばいいのです。そうやって予習・復習を繰り返すことが、長期運用の実現につながるわけです。

 経済は現在進行形なので、次々と新しい出来事が起こるし、思わぬ事態も発生します。常にキャッチアップし、お金の流れの循環を追うことで、経済を学ぶだけでなく自分の大切な資産を増やしていけたなら、まさに一挙両得だと思いませんか。