日経平均6万円突破か減速か 攻めと守りの投資術#12Photo:Michael M. Santiago/gettyimages

中東情勢の不透明感が長引く中でも、史上最高値の更新が続く米国株。高止まりする原油価格、AIバブル崩壊など懸念材料もある中、個人投資家はどう向き合うべきなのか。特集『日経平均6万円突破か減速か 攻めと守りの投資術』の#12では、「STAY INVESTED(投資を継続すること)」を強調するマネックス証券の岡元兵八郎チーフ・外国株コンサルタントに米国株への投資戦略や、具体的に注目するべき銘柄を聞いた。

26年、27年は2桁成長見込み
投資を中断することは愚かな選択

「STAY INVESTED(投資を継続すること)」――。米国株はイラン情勢の悪化が続く中でも高値を更新しており、2026年末にS&P500が7700ポイントに到達するという予測は変えていない。米国株はグロース市場であり、短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、投資を継続するべきだろう。

 予想の根拠は、26年、27年と連続で2桁のEPS(1株当たり利益)成長が見込まれていることだ。27年の予想EPSにPER(株価収益率)21倍を当てはめると7700ポイントになる。

 割安とはいえないものの、高い成長率や業績上振れ傾向が続いていること、さらに時間の経過とともにPERが低下していくことを考えると割高とはいえないだろう。1年前は日本株と比較して米国株は割高だという評価もあった。だが、日本株が大きく上昇した今、米国株の方に妙味があると強く感じている。

 下値めどについては、ドナルド・トランプ大統領次第、正確に言うと原油価格次第になる。

 米国が絡んだ大きな戦争としては1990年に始まった湾岸戦争、03年に始まったイラク戦争があるが、マーケットの動きは異なる結果となっている。武器のレベルやAI活用など当時とは時代が異なることもあり、法則を見つけるのは難しい。

 ただし、今年は米国で中間選挙がある。どこかで落としどころがある可能性があり、泥沼化するリスクは小さいのではないか。

 その他のリスクとしては、経済指標を一つ一つ確認していくしかない。インフレが加速することで「利下げではなく利上げ」という声も一部にはあるが、支配的ではない。今年後半に1回、来年に1回、利下げがあるというのが今のところのコンセンサスだ。

 原油価格が上昇している中でも、米国の航空会社の需要は底堅く推移している。消費も弱くなっていない。原油価格が1バレル当たり100ドル超えで定着しないことを前提とすれば、そこまで不安視しなくていいのではないか。

 忘れてはならないことは日本と異なり、米国経済はグロース経済であるということだ。また、米国企業のマネジメントはフレキシビリティー(柔軟性)が高い。

岡元兵八郎 マネックス証券チーフ・外国株コンサルタントおかもと・へいはちろう/ソロモン・ブラザーズ証券(現シティグループ証券)入社後、機関投資家向け外国株式のマーケティングなどに携わり、54カ国の株式市場の執行業務を行う。新著に『本当に資産を増やす米国株投資』(ビジネス社)。

 具体例を挙げるならば、コロナ禍では大胆なレイオフを実行した。「将来の成長のために人を減らす」ことをしたわけだが、日本の企業では難しいだろう。

 では、ここからどんな銘柄を選ぶべきか。これは投資家によって正解が異なる。強調したいのは、「積み立て投資」をしている人は投資を継続するべきであることだ。イラン情勢の不透明感や株価が高値圏にあることを理由に投資を止めるべきではない。これは歴史が証明しており、投資を止めることは愚かであると考えている。

 また、個別株投資においても「タイミング」を狙うことは難しい。特に成長市場である米国株に投資をするのであれば、底値をピンポイントで狙ったり、短期で利益確定をしない方がいいだろう。

次ページでは投資信託やETFの活用法も含めて、米国株投資のセオリーを解説。注目のセクターやIT大手7社の中でも成長力が強い企業、トランプ大統領の政策が追い風となる企業についても具体名を挙げて紹介する。