「そんなに食べていないはずなのに、なぜか太る」。そう感じている人は、食事の量ではなく、食品の「加工度」を見落としているかもしれない。1万人以上の患者を診てきた医師が、医学的根拠に基づいて執筆した『鍛えるよりも「使い方」 体力がすべて』から、一部を抜粋・編集しそのヒントを紹介する。
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柔らかくて、すぐ食べられる食品に潜むリスク
食事の素材を考える上では、食品がどれだけ加工されているかという加工度も、きわめて重要な視点となる。
ここでは、「超加工食品」取り上げる。超加工食品とは、糖・油脂・でんぷんなどから再構成された原料に、香料・乳化剤・甘味料などの添加物を組み合わせて、食べやすく設計された工業製品を指す。
入院環境での実験では、超加工食品を中心とした食事を2週間続けた場合、同じ栄養バランスに調整された素材に近い食品を中心とした食事と比べて、1日の摂取カロリーが平均で約500キロカロリー多くなり、その期間中に体重が増加したことが報告されている(*1)。
一般的に超加工食品は、次のような特徴をもつ。
- ・柔らかくて短時間で食べられる
- ・カロリーが高い
- ・食物繊維が少ない
こうした特徴が重なると、満腹を感じる前に摂取が進み、結果として食べすぎにつながりやすい。観察研究では、超加工食品の摂取量が多い人ほど、握力などの筋力や歩行速度が経年的に低下しやすいことも報告されている(*2)。
もちろん、超加工食品が直接的な原因であると断言することはできない。だが、こうした食品に偏った食生活が、持久力や筋力を支える基盤を長期的に削っていく可能性は高い。
一方で例外もある。スポーツの試合前後など、即座のエネルギー補給や消化負担の軽減が最優先される場面では、吸収の早い飲料やジェルを活用するのも合理的だ。
普段の食事は加工度の低い素材を基本とし、特定の目的がある場面では加工食品を戦略的に取り入れる。この使い分けが、体力を守る上で続けやすい。
1.Hall KD, Ayuketah A, Brychta R, Cai H, Cassimatis T, Chen KY, et al. Ultra-processed diets cause excess calorie intake and weight gain: an inpatient randomized controlled trial of ad libitum food intake. Cell Metab. 2019 Jul 2;30(1):67-77.e3.
2. Konieczynski EM, Sahni S, Jacques PF, Naumova EN. Ultra-processed food and frailty: evidence from a prospective cohort study and implications for future research. Nutrients. 2025 Aug 14;17(16):2631.
(本稿は『鍛えるよりも「使い方」 体力がすべて』から一部抜粋・編集したものです。)






