第2段階 上司や組織の「期待(MUST)」をきちんと聴く

 組織内キャリアにおいては、必ずMUSTが存在します。「何もせず座っていたら給与を払います」「何でも自由にやってください」ということはありません。

 MUSTを上司に確認する際は、「今の期待」「定量的な目標」だけではなく、「将来の期待」「定性的な期待」も理解することがポイントです。多くの面談では「今の成績はどうか、どう評価されているのか」「定量目標の進捗はどうか」が中心になりがちです。

 将来のキャリアを考えるなら、未来の状態や定性的な期待(どのような存在であってほしいか)も確認してすり合わせましょう。

 上司の頭の中にある、「組織として目指す状態」「チーム全体のありたい姿」「その中で、あなたに期待していること」を言語化してもらいましょう。

 ここを聴かずに、自分のWILLだけをぶつけても、話は噛み合いません。だからこそ、「今、私には何を期待していますか」「今後の組織運営で、特に重視している点はどこですか」などと、丁寧に聴いていく必要があります。

第3段階 両者の間にあるギャップについて対話する

 自分のありたい姿と、上司や組織の期待がいきなり完全に一致しているケースは多くありません。
 
 問題はギャップがあることではなく、このギャップを放置したままにすることです。「実は、将来的にはこういう方向も考えていて」「今の期待役割について、少し違和感を持っている点があって」などと、上司や会社の期待を聴いたうえで話を進めることで、ようやく上司にもギャップがあることに気づいてもらえます。

 ボスマネジメントは、このギャップをお互いに共有することが最大のポイントと言ってもいいくらいです。

 ギャップがあることを話題にするのは、わがままでも反抗でもありません。認識の違いを可視化し、合意点を探すための建設的なプロセスです。ボスマネジメントは、「どちらが正しいか」を決めることではなく、「どこにギャップがあるか」「どうしたら重ねられるか」を一緒に考えるコミュニケーションでもあります。

第4段階 合意したゴールに向けた「能力(CAN)」を開発する

 自分の「ありたい姿(WILL)」と上司の「期待している姿(MUST)」が何らかの形で重なったら、あとは「能力(CAN)」を高めることでWin-Win の状態になります。「今持っているスキルで定年までしのぐ」という考え方は捨てて、「将来に向けて、どのようなスキルを伸ばすことが必要か」「期待に比べて、足りていないものは何か」を確認する必要があります。キャリア自律という長期的な視点に立ったゴールならなおさらです。