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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
強大な中央集権国家を支えた中華思想
中国には伝統的に華夷思想(日本では中華思想と呼ばれる)があり、自らを世界の中心である「中華」と位置付ける。習近平政権は、この華夷思想を色濃く反映した政策を展開する。米ドナルド・トランプ政権が西半球重視の国家戦略を打ち出したため、東半球に位置する中国にとって、これは地政学的に有利な事情となろう。
中国はユーラシア大陸の東端に位置する。東に東シナ海や太平洋、北にシベリアの森林や草原地帯、西北にゴビ砂漠やタクラマカン砂漠、南にヒマラヤ山脈と熱帯雨林があるため、欧州や中東、インドとの交流はシルクロードなどに限定された。
中国古代文明は、黄河、長江の流域で生まれた。黄河中流域の人々は、この地域を中原や中華と称し、周辺の民族や部族に対して強い優越感を抱いた。周辺地域の異民族を東夷や北狄(ほくてき)、西戎(せいじゅう)、南蛮と呼び、「夷狄(いてき)」として蔑視した。紀元前3世紀に、秦が国家統一を果たし、人口密度の高い漢民族中心の中央集権国家が早期に成立した。
中国の華中・華南は、温暖湿潤で豊かであったため、国防上の理由を除き、周辺国を侵略することはまれであった。脅威は強力な軍事力を持つモンゴルやトルコ系、満州などの騎馬民族であった。こうした民族が一帯を支配して樹立した国家が、隋や唐、元、清である。こうして、中国は産業革命以前に世界最大の経済規模を誇った。







