史上最高値の6万5158円19銭で取引を終えた日経平均株価を示すモニター史上最高値の6万5158円19銭で取引を終えた日経平均株価を示すモニター=5月25日 Photo:JIJI

10年国債金利は2.800%まで上昇
日本版「トラスショック」や「TACO」は!?

 上昇基調を維持する日経平均株価は、5月25日には終値が、前週末から1800円余り上昇、6万5158円19銭と史上最高値を更新、初めて6万5000円台を超えた。

 アメリカとイランが近く戦闘を終結するとの期待感が強まったからだが、一方で、長期金利の指標である新発10年国債利回りは前週の19日には、2.800%まで上がり(国債価格は下落)、1998年12月以降での最高水準だ。

 海外では、しばしば政府の無謀な政策に対して長期金利が上昇し、トリプル安(債券、株式、通貨の安値)が起きる。

 イギリスでは2022年9月に「トラスショック」が、アメリカでは25年に似た現象が起きた。

 原因は、イギリスの場合には、トラス政権による財源手当てのない減税政策、アメリカの場合は、トランプ政権による相互関税の賦課と中央銀行人事に対する介入だった。

 いずれの場合も市場は敏感に反応し、政府は政策の撤回を余儀なくされた。「トランプ政権は、市場がパニックに陥りかけると撤回や妥協を繰り返す」というので、TACO(Trump Always Chickens Out:「トランプはいつもビビってやめる」)とやゆされた。

 これは「債券自警団の活躍」と呼ばれる現象だ。もともとは、クリントン政権の時代に言われたもので、政府が財源手当てのない減税などの無謀な政策を行おうとしたときに、債券市場がそれに敏感に反応して金利が高騰し、政府の政策を思いとどまらせるという現象だ。

 日本でも、高市積極財政の不透明感や将来の財政破綻懸念を反映する形で長期金利が上昇している。

 したがって、トラスショックや“TACOショック”と同じような現象が起きてもおかしくはない。

 実際、為替レートは円安になっており、為替レートに対する影響という点を見れば、債券自警団の影響は、日本でもかなり顕著に生じたと考えることができる。

 ではなぜ、それが株価には及ばないのか。