一時6万3385円04銭まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した日経平均株価を示すモニター一時6万3385円04銭まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した日経平均株価を示すモニター=5月11日 Photo:JIJI

AI・半導体軸に日米株価高騰続く
ITバブル時との類似性は見られるか?

 中東イラン情勢は、米国とイランの停戦延長・和平交渉やホルムズ海峡の通航回復の行方はなお不透明だが、米国と日本の株価は、AIブームや戦闘終結への期待感もあって、上昇の勢いが加速する。

 日経平均株価は4月23日に取引時間中として初めて6万円台を付けたが、その後も、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンといったAI・半導体関連株がけん引しており、5月13日には終値で6万3272円11銭と、初めて6万3000円台をつけ最高値を更新。

 その後20日には利益確定などの売りで6万台を割り込んだが、21日には回復、上昇基調が続いている。

 米国でも、上場する半導体関連企業から構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4月は18連騰し、S&P500、NASDAQ総合指数、SOXのいずれもが過去最高値を更新した。

 筆者は4月下旬に欧州投資家を訪問したが、30年以上の日本株投資経験のあるファンドマネージャーからは、1990年代後半から2000年にかけて、テクノロジー株が牽引して日米で株価が最高値を更新したITバブル時に状況が似てきているのではとの問いかけを受けた。

 ITバブル時、S&P500は00年3月24日にピークを付けた後、急落したが、このところの日米株価高騰に、ITバブル崩壊後のような大掛かりな調整が起きるのではとの懸念も一部では出ている。

 そこで、日米経済のマクロ動向(景気、インフレ率)や金利動向(政策金利、長期金利、長短金利差)、為替動向(ドル円レート、実質実効為替レート)、企業業績、バリュエーション(12カ月先予想PER、イールド・ギャップ、景気循環調整PER)について、ITバブル時(00年3月24日近辺を指す)と現在の状況を比較した。

 結論を先に述べると、現在の日米金融政策は当時に比べて緩和的でしばらくは景気及び企業業績の改善が見込まれることや、現在の方がITバブル時よりも株価の割高感が強くないことから、当面、ITバブル崩壊後のような株価調整が起きる可能性は低いと考える。

 ホルムズ海峡封鎖長期化による供給制約の強まりによって株価が調整するリスクは残っているが、企業業績改善を背景に日米株は一段と上昇し、26年度末には日経平均株価は「7万円」到達の可能性がある。