日銀「6月利上げ」と共に国債買い入れ減額1年延長!?見えてきた「27年度内」正常化のシナリオPhoto:Bloomberg/gettyimages

4月決定会合、3会合連続政策金利据え置き
これまで最多、3人の審議委員が反対票

 日本銀行は、4月27、28日に開いた金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めた。

 公表された新たな「経済・物価上昇の展望(展望レポート)」では、2026年度の消費者物価見通し(除く生鮮食品、中央値)が+2.8%と、前回(1月、+1.9%)から大幅上方修正された一方で、実質GDP見通しは+0.5%と、前回(+1.0%)から下方修正された。また、27年度の消費者物価見通しも、+2.3%(前回は2.0%)に上方修正された。

 決定会合後の記者会見で植田和男総裁は、「企業収益の好調など、景気下押し圧力への耐性はある程度、強まっている。基調的な物価上昇率は26年度後半から27年度にかけて(2%の)物価安定目標とおおむね整合的になるとの見通しは変えていない」と語ったものの、中東情勢の不安定化、米国とイランの和平交渉の行方が見えないなかで、物価、経済情勢の不透明感がなお強いことが追加利上げ先送りの理由になったと考えられる。

 決定会合では、物価上振れリスクが高まっていることなどを理由に、3人の政策審議委員が利上げを求めて反対票を投じたが、筆者は政策金利据え置きは適切な判断だと考える。

 それでも、3会合連続での政策金利据え置きで、日銀がインフレの懸念の高まりに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念が強まってくることは十分予想される。

 しかし、日銀は中立水準に向けた利上げの方針を崩さず、6月、遅くとも7月の会合では1.0%への利上げを行うことになるだろう。

 基調的な物価上昇率が安定した形で2%物価目標に近づいているなかで、1%への利上げのタイミングが4月であろうと6月、あるいは7月であろうと、数カ月の違いは大した問題ではないと考えているのではないか。

 日銀は6月会合で同時に国債買い入れ減額計画の1年延長を決め、28年3月には買い入れ減額の計画を終えるめどをつけ、中立金利に向けての利上げに専念できる環境作りを狙っていると考えられる。

 2028年3月には内田眞一、氷見野良三両副総裁の任期が、同年4月には植田和男総裁の任期が終了する。今の執行部の任期中となる27年度までに金融政策正常化を達成するというのが、植田日銀の大きなスケジュール感となっているようだ。