実は「セブンで高いコーラを買う人」と「ドンキで時間を溶かす人」は同じです。小売りの神様・鈴木敏文が追求した「本当の顧客目線」Photo:JIJI

スーパーに行った方がモノが安いのに、セブン-イレブンに行って買ってしまうことがある。その理由は、ある研究によって明らかになっている。ただ、筆者は、かつてのセブン-イレブンの魅力は、ディスカウントストアのドン・キホーテの方が優ってきていると感じている。(イトモス研究所所長 小倉健一)

セブン-イレブンに客が引き寄せられたワケ

 私たちが「特定の店舗」に引き寄せられる理由は、商品単体の価値ではない。「顧客の立場で」徹底的に作られた体験と、無意識のロイヤルティ(店への忠誠心)にある。

 2022年に出版された書籍『鈴木敏文のCX(顧客体験)入門』(プレジデント社)には、大変興味深いことが記録されている。日本国内において、コカ・コーラとアサヒスーパードライの販売量が最も多い小売店は、セブン-イレブンであるという事実だ。

 この2つの商品は、どこで購入しても品質が変わらないナショナルブランドの代表格である。大型スーパーマーケットやディスカウントストアへ足を運べば、数十円安く手に入れることが可能だ。

 価格の安さが重視される現代社会において、原則として定価販売を行うコンビニエンスストアで、なぜ消費者は進んで購入するのか。安く買うことをやめてまで特定の店舗でお金を使う背景には、強固な心理的基盤が存在するのではないか。

 ある研究が、この疑問に対して明確な解答を示している 。

 2020年に中国欧州国際ビジネススクール(CEIBS)のChen LINが発表した論文『カスタマーロイヤルティプログラムの導入がカテゴリの売上と収益性に与える影響(The Impact of Introducing a Customer Loyalty Program On Category Sales and Profitability)』だ。