米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル前議長は5月31日夜、崇高な市民的テーマを論じた演説の中で、ある一点について際立って具体的に言及した。いかなる政権であれ、政策上の意見の相違を理由にFRB当局者を解任する方法を見つけた場合、FRBは存続できないということだ。現在FRB理事を務めるパウエル氏は、ボストンで開催された式典で、故ジョン・F・ケネディ元大統領の遺族から政治的勇気をたたえる賞を受賞した。諸制度、法の支配、米民主主義の伝統について概括的に語った同氏は、特定の大統領の名前を挙げることも具体的な不満を表明することもなかった。しかし、金融政策を大統領の手の届かないところに置く仕組みについては明確に述べた。パウエル氏はFRB当局者の解任を防ぐ法的保護を強調するとともに、行政府は12の地区連銀総裁の「選任や監督において何ら役割を担っていない」と力説した。連銀総裁は、大統領が任命する理事らとともに政策金利の決定で投票権を持つ。