発酵食品は体によいと聞くが、どれくらいの頻度で食べるのが適切なのか。著者自身が行った研究のデータが、意外にもシンプルな答えを示している。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』からヒントを探る。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)
納豆菌は、腸に「住み着く」わけではない
ヨーグルトや納豆を食べると、善玉菌が腸内に増えて健康になる――
そう漠然と信じている人は多いかもしれない。
しかし実際には、摂取した菌が腸内に長期定着するかどうかは、また別の話だ。
著者自身が行った調査によると、納豆を食べた後、納豆菌は数日間で腸内から消滅してしまうという結果が出た。
つまり、一度食べれば効果が持続するわけではない。
これは納豆に限らず、乳酸菌を含むヨーグルトでも同様の考え方が当てはまると見られている。
だから「定期的に食べ続ける」ことが大切になる
かつて私は、「納豆を食べた場合、納豆菌はその後どれほどの期間、腸内に居着くか」を調べたことがあり、その結果、数日間で納豆菌は消滅してしまったからです。
ということは、ヨーグルトや納豆は毎日もしくは数日ごとに定期的に食べるのが腸のためにはよいでしょう。
菌が数日で消えてしまうとすれば、食べ続けることで腸内の菌を補給し続けることが、腸の健康維持につながる可能性がある。
著者は、毎日あるいは数日ごとに定期的に食べることを勧めている。
「たまに食べる」では十分ではないかもしれない、ということだ。
ただし、これはあくまで一つの研究結果と著者の見解であり、腸内環境は個人差が大きいことも知っておきたい。
体質や持病によって、発酵食品の摂取が適切かどうかは異なる場合もある。
自分の体の状態に合わせて取り入れることが大切だ。
「継続して食べる習慣」をどうつくるか
毎日食べ続けるためには、習慣として取り入れやすい食品を選ぶことが現実的だ。
納豆は調理不要で価格も手ごろ。
ヨーグルトも朝食や間食として取り入れやすい。
「体によさそうだから食べる」から、「腸の菌を補給するために定期的に食べる」という意識に変えるだけで、食習慣の質は少し変わってくるかもしれない。
今日から試すなら、納豆かヨーグルトを「数日に一度は必ず食べる」習慣をつくることだけでいい。
(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)
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ひとつの論文やエビデンスだけを信じた食事では、栄養が偏ってしまいます。
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そんななか、食事対する必須知識として「栄養学」への関心が高まっています。
本書では、東京農業大学で栄養学と生理学の研究を続け、医師でもある著者が「栄養学的に正しい」最高の食事術を紹介します。
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基本となる知識と具体的な食事術を学ぶことで「健康法」迷子から抜け出し、食事によって人生が変わる1冊です。
主要目次
第1章 まず知るべき「栄養と食品」の基本
栄養バランスは毎日考えなくていい─「1週間」でつじつまが合えばOK
「完全栄養食」を信じるな─「これだけを食べれば大丈夫」などありえない
トクホと「健康食品」はまったくの別物─機能性食品の違いをおさえる
第2章 「病気と栄養」の危ない関係
ジュースが危ない本当の理由─果糖とブドウ糖はヤバすぎる
「体にいい油」も要注意─変性すれば、すべて悪玉
「コーラで歯が溶ける」は本当─リン酸の強さとその代償
第3章 栄養学的に「ヤバい」食習慣
ファストフードで地雷を踏むな─シェイクのヤバさを知る
黒烏龍茶でチャラにはならない─「焼け石に水」で食べ過ぎを招く
プロテインが逆効果になる?─肝臓・腎臓が酷使される理由
第4章 頭が悪くなる「脳をダメにする」食事
ビタミン不足は静かに脳を鈍らせる─頭が悪くなる仕組み
「カルシウム不足でイライラする」のは本当か?─科学的根拠はない
「コーヒーを飲まないと頭が回らない」は危険信号─カフェイン依存のリスク
第5章 「体によさそう」に惑わされないための知識
野菜ジュースで「野菜」は摂れない─ビタミンCも食物繊維も抜けている
「グルテンフリー神話」に惑わされるな─アレルギーがなければ無視していい
サプリメントは買わなくていい─価格も品質も信用できない
第6章 「食べないほうがいい」食品の誤解を解く
コレステロールは敵ではない─体の必須成分と動脈硬化の関係
「白米を食べると太りやすい」のはなぜか─長所と短所を理解する
「うま味調味料=危険」は思い込み─グルタミン酸ナトリウムの正体
第7章 誰でもすぐに実践できる「栄養学的な食習慣」
チェーン店で健康的に食べる方法─最強はリンガーハットの「ちゃんぽん」
パフォーマンスを上げるには「お酢」を飲む─最速でシャキッとする
「腸活」ブームが見落としているもの─腸内細菌は大腸にいる
第8章 「体調と体質を改善する」食事術
風邪をひいたらホットジュースを飲む─「ダイダイ湯」「生姜湯」がいい
食べるべき食品ベスト1は「納豆」─ビタミンKが爆増する発酵の力
「なんとなく不調」なときは食べものを疑う─5つの食事リセット術
第9章 「ストレスから体と心を守る」食事術
老化と病気は抗酸化物質で防ぐ─「ポリフェノールたっぷり」に騙されない
「おいしく・安く・栄養豊富」な旬の食材を選ぶ─無駄にお金をかけなくていい
強いストレスには「動物性たんぱく質」と「ハーブティー」─メンタルを整える食事
第10章 「やせながら元気になる」栄養学的ダイエット術
「2日で1.5kg」は誰でもやせられる─大切なのは継続できるかどうか
リバウンドを防ぐための小さな工夫─体だけではなく「心の健康」を維持する
「体脂肪率」に振り回されるな─大切なのは「経過」を追うこと
第11章 「健康なまま長生き」するための食事術
「空腹は最強のクスリ」は本当か?─実践してわかった長所と短所
40歳から筋肉は勝手に減り続ける─寝たきり回避には「たんぱく質」が必須
発がん性物質を避けるには「焼く」よりも「煮る」─肉はマリネがおすすめ