実は、お菓子やラクトアイスなど身近な加工食品には、動脈硬化を促すトランス脂肪酸が潜んでいることがあります。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに解説します。
「原材料名:植物油脂」は要注意
「トランス脂肪酸」はなるべく摂らないようにしましょう。
そもそも、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の大きな違いは、その化学的な分子構造が、飽和脂肪酸はまっすぐ直線状、不飽和脂肪酸はその直線があちこち途中で折れ曲がっている、ということです。
まっすぐな形をした分子は、たくさん集まると整然と整列するので、固まりやすくなります。
一方、折れ曲がりがあると整列できず、固まりにくくなり、細胞や血管に柔軟性を与えるのです。
つまり飽和脂肪酸は動脈硬化を促進し、不飽和脂肪酸は動脈硬化を防ぎます。
不飽和脂肪酸の中で例外的にまっすぐな形をしているものをトランス脂肪酸と言います。
つまりトランス脂肪酸も飽和脂肪酸と同様に動脈硬化を促進するのです。
トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングにたくさん入っています。
加工食品では、ラベルに「原材料名:植物油脂」と記載してあったら、これはトランス脂肪酸を含んでいると思ってください。
具体的にはお菓子やラクトアイス(アイスクリームに似ていますがまったく異なった食品)などです。
「植物油脂」と記載のある加工食品はなるべく食べないようにしてください。
とはいえ、日本人の場合は、トランス脂肪酸自体の摂取量がもともと多くないので、あまり神経質にトランス脂肪酸を避けなくてもいいと思います。
ちなみに世の中で最も安価な脂肪はパーム油(アブラヤシから採れる油)です。
加工食品の油脂の材料にはパーム油が多く使われています。
パーム油そのものは常温では固体と液体の中間くらいの形状であり、加工してマーガリンやショートニングを作ります。
このときにどうしても一緒にトランス脂肪酸が産生されるわけです。
ラベルに「植物油脂」と書いてある場合の植物とは、アブラヤシ(パーム油)のことが多いです。
(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』から一部抜粋・編集した記事です。)
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基本となる知識と具体的な食事術を学ぶことで「健康法」迷子から抜け出し、食事によって人生が変わる1冊です。
主要目次
第1章 まず知るべき「栄養と食品」の基本
栄養バランスは毎日考えなくていい─「1週間」でつじつまが合えばOK
「完全栄養食」を信じるな─「これだけを食べれば大丈夫」などありえない
トクホと「健康食品」はまったくの別物─機能性食品の違いをおさえる
第2章 「病気と栄養」の危ない関係
ジュースが危ない本当の理由─果糖とブドウ糖はヤバすぎる
「体にいい油」も要注意─変性すれば、すべて悪玉
「コーラで歯が溶ける」は本当─リン酸の強さとその代償
第3章 栄養学的に「ヤバい」食習慣
ファストフードで地雷を踏むな─シェイクのヤバさを知る
黒烏龍茶でチャラにはならない─「焼け石に水」で食べ過ぎを招く
プロテインが逆効果になる?─肝臓・腎臓が酷使される理由
第4章 頭が悪くなる「脳をダメにする」食事
ビタミン不足は静かに脳を鈍らせる─頭が悪くなる仕組み
「カルシウム不足でイライラする」のは本当か?─科学的根拠はない
「コーヒーを飲まないと頭が回らない」は危険信号─カフェイン依存のリスク
第5章 「体によさそう」に惑わされないための知識
野菜ジュースで「野菜」は摂れない─ビタミンCも食物繊維も抜けている
「グルテンフリー神話」に惑わされるな─アレルギーがなければ無視していい
サプリメントは買わなくていい─価格も品質も信用できない
第6章 「食べないほうがいい」食品の誤解を解く
コレステロールは敵ではない─体の必須成分と動脈硬化の関係
「白米を食べると太りやすい」のはなぜか─長所と短所を理解する
「うま味調味料=危険」は思い込み─グルタミン酸ナトリウムの正体
第7章 誰でもすぐに実践できる「栄養学的な食習慣」
チェーン店で健康的に食べる方法─最強はリンガーハットの「ちゃんぽん」
パフォーマンスを上げるには「お酢」を飲む─最速でシャキッとする
「腸活」ブームが見落としているもの─腸内細菌は大腸にいる
第8章 「体調と体質を改善する」食事術
風邪をひいたらホットジュースを飲む─「ダイダイ湯」「生姜湯」がいい
食べるべき食品ベスト1は「納豆」─ビタミンKが爆増する発酵の力
「なんとなく不調」なときは食べものを疑う─5つの食事リセット術
第9章 「ストレスから体と心を守る」食事術
老化と病気は抗酸化物質で防ぐ─「ポリフェノールたっぷり」に騙されない
「おいしく・安く・栄養豊富」な旬の食材を選ぶ─無駄にお金をかけなくていい
強いストレスには「動物性たんぱく質」と「ハーブティー」─メンタルを整える食事
第10章 「やせながら元気になる」栄養学的ダイエット術
「2日で1.5kg」は誰でもやせられる─大切なのは継続できるかどうか
リバウンドを防ぐための小さな工夫─体だけではなく「心の健康」を維持する
「体脂肪率」に振り回されるな─大切なのは「経過」を追うこと
第11章 「健康なまま長生き」するための食事術
「空腹は最強のクスリ」は本当か?─実践してわかった長所と短所
40歳から筋肉は勝手に減り続ける─寝たきり回避には「たんぱく質」が必須
発がん性物質を避けるには「焼く」よりも「煮る」─肉はマリネがおすすめ