「自分は運が良くない」「何かいいこと起きないかな」と、漠然と幸運を待っていませんか? 実は、運が良いと言われる人たちは、ただ偶然を待っているわけではありません。認知行動療法の視点から紐解く、自らの手で運を引き寄せるための「合理的な3つのステップ」を解説。不安を乗り越え、正しい努力と試行錯誤で人生を確実に好転させるためのヒントをお届けします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】運が良くなる合理的な3つのステップPhoto: Adobe Stock

運を良くするための合理的な方法

今日は「運を良くするための合理的な方法」について、精神科医の視点からお話ししたいと思います。

厳密に言えば、カウンセリングの手法である「認知行動療法」の考え方をベースにしています。これは、自分の頭の中に湧いてくる「認知の歪み(世の中の捉え方や思考の癖)」を理解し、その歪みを修正しながら行動パターンを変えていくという代表的な治療法です。

この考え方をもとに、自ら運を良くしていく方法をご提案します。

漠然と「幸せになりたい」と願っていませんか?

「自分は運が良くない」と思っている方の多くは、「何か幸せなことが起きないかな」「幸せになりたいな」と漠然と考えている傾向があります。

例えば、神社でお祈りをして「幸せになれますように」と願ったとします。しかし、「あなたにとっての幸せとは何ですか?」「何をどうしてほしいのですか?」という具体的な内容がわからなければ、神様も叶えようがありませんよね。

それと同じで、私たち自身も「自分にとっての幸せとは何か」「そのためにどうすればいいのか」が明確でなければ、運が良くなるはずがないのです。世の中で成功している人たちは、ただ運がいいだけでなく、自分の望みを把握し、必要な行動を理解した上で試行錯誤を繰り返し、結果を出しています。

ステップ1:自分にとっての「幸せ」を具体化する

ここからは、合理的に運を良くするための3つのステップをご紹介します。まず1つ目は、「自分の気持ちを確認すること」です。自分が今何を考え、何を感じ、どうしたいのか。自分にとっての「幸せの解像度」を上げなければいけません。

素敵なパートナーがいることなのか、家庭円満なのか、日々健康で過ごせることなのか、あるいは仕事で評価されることなのか。なるべく細かく具体的に、「これが叶えば運がいいと思えること」を確認してください。

婚活でも「漠然と素敵な人と出会いたい」というだけではうまくいきません。自分にとっての運の良さ、つまり「人生をどうしたいか」を考え、書き出してみるのがすべての始まりです。

ステップ2:目標に必要な行動を「リサーチ」する

目的がある程度はっきりしたら、2つ目のステップとして「その幸せのためにどんな行動が必要か」をリサーチします。

「努力している」といっても、見当違いな方向へ進んでいては絶対に報われません。例えば、私が「著書を出したい」と願ったときには、どうすれば出版できるのかを調べました。出版社にアプローチしたり、原稿を書いて賞に応募したり、ブログを書いたり、X(旧Twitter)で発信したりと、できそうなことを洗い出しました。

ミュージカル俳優になりたい人が、特定の劇団だけをただひたすら受け続けるということは普通しません。さまざまな方法を探るはずです。正しい行動の選択肢を調べ、幅を持たせることが重要です。

ステップ3:正しい場所で「試行錯誤」を繰り返す

最後は、リサーチした行動を「何度も試行錯誤しながら実行すること」です。実践する中で「何か違うな」「やりづらいな」と感じたら、軌道修正をしてやり方を変えていくことも大切です。

バッターボックスに立ってバットを振らなければ、いつまで経ってもホームランは打てません。しかし、ただ闇雲に素振りをするのではなく、「正しい場所で、正しい方法で」バットを振っていれば、いつか当たる可能性が高まります。

運がいいと言われる人たちは、実はこの試行錯誤の段階で、うまくいかなかった経験を無数に繰り返しています。周囲からは「当たった瞬間」だけを見て「あの人は運がいい」と思われがちですが、実際には「自分の気持ちを理解し、正しいやり方で失敗を重ねた結果」だということを忘れてはいけません。

不安を乗り越え、運をつかみ取るために

運を良くする過程で一番しんどいのは、「結果が出るまでは、このやり方で本当にいいのだろうか」という不安と戦うことでしょう。本当に何が当たるかは誰にもわからないため、そこが一番苦しい部分であり、皆同じ条件です。

➊自分の気持ちを確認する
➋必要な行動をリサーチする
➌何度も試行錯誤を繰り返す

この3つのステップをしっかり実践していただくことで、運は良くなっていくと思います。ぜひ試してみてくださいね。