役員会議室のテーブルを見つめる男性写真はイメージです Photo:PIXTA

「自分のほうが仕事はできるのに、なぜあの人が先に昇進するのか」。約20年にわたり、500社以上の企業で管理職育成に携わってきた、マネジメントの専門家・前川孝雄氏(FeelWorks代表取締役・青山学院大学兼任講師)が、課長止まりの人と役員まで進む人の違いを解説します。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

「仕事ができる課長」なのに
なぜ上に行けないのか

「同期の中では自分のほうが結果を出しているはずなのに、なぜあの人が先に部長になったのか」

「課長までは順調だったのに、そこから先に進めない」

 40代、50代になると、そんな疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。

 私が営む会社ではこれまで約20年にわたり、500社以上の企業で管理職育成に携わってきました。さまざまな企業の管理職を見てきましたが、「仕事ができる人でも、そのまま上まで出世するわけではない」というのは、多くの会社に共通しています。

 課長になるまでのキャリアでは、比較的わかりやすい能力が評価されます。

 たとえば営業であれば、自分自身が高い数字を上げる。常に課された目標をクリアし続ける。トラブルが起きれば対応し、上司から任された仕事をきちんとやり遂げる。

 こうしたことを積み重ねていけば、課長くらいまでは順調に昇進する人も多いでしょう。

 ところが、そこから先は少し様子が変わってきます。

 課長までは同期の中でも高く評価されていたのに、部長になれない。あるいは、自分から見れば「それほど仕事ができるようには見えない」という人が先に部長や執行役員になっていく。

 そうなると、「結局、出世なんて社内政治なのではないか」「上司に気に入られた人が勝つのではないか」と思いたくなる気持ちもわかります。

 実際、そういう側面がまったくないとは言いません。会社も人間の集まりですから、人間関係を抜きにして組織の中で上がっていくことは難しいからです。

 一方で、「だったら偉い人に取り入ればいい」という話でもありません。

 むしろ、そこだけを見てしまうと、なぜ自分が課長から先に進めないのかという本当の理由を見落とします。

 課長から部長、執行役員、取締役へと上がっていくにつれて、会社がその人に求めるもの自体が変わっていくからです。

 それまでの成功パターンのまま、「もっと頑張ろう」「もっと数字を上げよう」と考えているだけでは、なかなか越えられない壁があります。

 では、課長止まりになる人と、そこから役員まで上がっていく人は、何が違うのでしょうか。

 私は、大きく2つあると考えています。