2022年カタールW杯のドイツ戦の後半、日本は突然マンツーマン・ハイプレスをかけて逆転勝ちしました。スペイン戦もほぼ同じで、後半のマンツーマン・ハイプレスで逆転勝利を収めました。
前半は我慢して守って体力を温存し、後半に突然ギアを入れてハイプレスで仕留める――。日本代表の選手たちはこれを「戦術カタール」と呼んでいるそうです。
マンツーマン・ハイプレスの完成度は
世界トップクラスに達している
あれから4年経ち、「戦術カタール」はさらなる進化を遂げています。
それが発揮されたのが、2025年10月に開催されたブラジルとの親善試合でした。日本は前半に2点を先制されて0対2でハーフタイムを迎えたのですが、後半突然マンツーマン・ハイプレスを仕掛け、3点を奪って逆転しました(図40)。
同書より転載 拡大画像表示
ブラジル相手に勝利したのはこれが初めてです。
このときのハイプレスの形は、まさに先ほど紹介した「攻撃時3-4-2-1→守備時3-4-1-2」の可変でした。
守備時にシャドー(久保、南野)が相手センターバックをマークし、センターFW(上田)が相手アンカーをマークするというものです。
進化が見られたのは、ウイングバックの立ち位置です。
ブラジル戦の後半、ボールに近い側のウイングバック(堂安)は相手サイドバックをマークするのですが、ボールから遠い側のウイングバック(中村)は相手サイドバックと相手ウイングの中間にポジションを取りました。
マンツーマン・ハイプレスの最大のリスクは、DFラインのカバー役がいなくなることです。もしロングボールを蹴られて、自分たちのセンターバックが相手FWとの1対1に負けたら……一気にピンチに陥ります。







