森保一監督 Photo:SANKEI
世界的強豪を相手に結果を残し、日本代表はかつてない評価を集めている。その背景にあるのは選手個々の成長だけではなく、森保監督が積み上げてきた戦術の進化である。2026年W杯を前に、日本代表はどこまでレベルを高めているのか。※本稿は、スポーツライターの木崎伸也『世界一やさしいサッカーの見方 40個のポイントで試合が劇的におもしろくなる』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
プレス回避を可能にした
「クロース・ロール」
2026年W杯最終予選において、森保監督は全試合のスタートで「攻撃的3-4-2-1」システムを採用しました。代表活動は集まっては解散の繰り返しですが、それでもひとつのシステムをやりこめば細部を詰めていけます。
「攻撃的3-4-2-1」の練度が上がり、さまざまな変化をつけられるようになりました。
たとえば、ボランチが斜め脇に降り、サイドライン近くに立ってパスコースをつくる動きです(図39)。2024年に引退した元ドイツ代表のトニ・クロースがレアル・マドリーで得意にしていたアクションなので、一部の専門家の間では「クロース・ロール」と呼ばれています。
同書より転載 拡大画像表示
鎌田大地選手が左ボランチに入ったときに、この動きを得意にしています。左斜めに降りて左サイドバックのような役割を担い、一時的に4バック的配置に変化することで、相手のプレスを回避しやすくなります。
他のポジションがこの役割を担うことも可能で、久保建英選手は右シャドーの位置からちょくちょく右斜めに降りてパスを引き出します。
「クロース・ロール」はビルドアップが行き詰まったときの重要なオプションになっています。







