「ウェブ」から「ファブ」へ
インターネットに匹敵する変化がこれから起こる
3次元プリンタやレーザーカッターなどの豊かで面白い活用法を、各国で、かれこれ10年ほど実験してきたコミュニティが「ファブラボ」である。こんなふうに工作機械が普及していけば、それはまるで「インターネット」のように、私たちの日常を変えていくのではないか?
その変化は、産業だけに及ぶ話ではない。生活・社会・働き方・教育、すべてにわたって、これまでとは違う局面が訪れる。情報だけに浸る「ウェブ」社会は終焉を迎え、物質への出力を豊かさへとつなげる「ファブ」社会が到来するだろう。消費も経済も変わるだろう。お店での消費者の行動は、ウィンドウショッピング(すでにある商品を選んで購入する)だけではなく、ワークショッピング(自分もつくる行為に参加する)ことになるだろう。
最後になるが、今回この世界ファブラボ会議が日本で開催されることには重要な意義がある。「高度成長期」まっただなかの1960年。日本では「世界デザイン会議」が開かれた。各国のデザイナーと日本のデザイナーが交流し、その成果は東京オリンピックや大阪万博に引き継がれたという。いまのわたしたちの豊かさは、ひとつの国際交流会議から始まっているのだ。
今回の「世界ファブラボ会議」は、53年ぶりに開催される本格的な国際交流会議である。いまの日本は「高度成熟期」まっただなかである。ここでの交流が、次なる社会を展望する大きなきっかけとなることは間違いない。是非お時間のある方はその一端を覗きにきていただきたい。
お知らせ
世界は「ウェブ」から「ファブ」へ
「3次元プリンタ」の登場によって、世界はどう変わっていくのか?
製造業だけにとどまらない「メイカームーブメント」の本質とは?
第9回 世界ファブラボ会議、いよいよ日本到来!
誰でも参加できる国際シンポジウム、「進化するメイカームーブメント」へのご参加は、上の画像、もしくはこちら(↓)からどうぞ!
http://www.fab9jp.com/expo/
「Fab9(第9回 世界ファブラボ会議)」については、こちらをご覧ください。
http://www.fab9jp.com/
【好評連載】〈ものづくり〉の新たな可能性に迫る!
綺麗な「ゴミ」を作っているだけではと疑念を抱いたメーカー社員、
トイレと携帯電話のどちらが途上国に必要かがわからないエンジニア……
かつて僕らを豊かにしてくれた〈ものづくり〉は、いつしかその力を失ってしまったのか――。
いや、それは違う。いま世界でうねりを上げ始めた、
問題解決型ものづくり「ソーシャル・ファブリケーション」の実態に迫る、迫真のルポ。(取材/文 瀬戸義章)
第1回はこちらから→ https://diamond.jp/articles/-/38585