中国レアアース支配に対抗、新たな戦線はブラジルブラジルのポソスデカルダス近郊で鉱物サンプルを採取するビリディス社の作業員 Photography Rafael Vilela for WSJ

【ポソスデカルダス(ブラジル)】欧米企業がブラジルのレアアース(希土類)産業に資金を注ぎ込んでいる。背景には、ブラジルが中国のレアアース支配を弱める一助になるとの期待がある。

 ブラジルは中国に次ぐ世界第2位のレアアース埋蔵量を誇り、鉱山会社は国内各地で鉱床の開発を急いでいる。しかし、その野心は鉱石の採掘にとどまらない。企業や政府当局者によると、レアアースを分離し、金属を生産し、最終的には磁石を製造できる加工工場の建設を目指している。

 その野心が実現すれば、中国にとって大きな脅威となる。中国は世界のレアアース埋蔵量の約半分を保有しているが、加工と磁石生産では90%超を支配しており、世界的なサプライチェーン(供給網)に圧倒的な影響力を持っている。

「これは世界クラスの地質だ」。こう話すのはブラジル南東部で開発プロジェクトを進める企業の1社、オーストラリア上場の鉱山会社ビリディスのラファエル・モレノ最高経営責任者(CEO)だ。「ブラジルは今、西側経済圏への重要原材料の供給においてますます戦略的な役割を担う位置についている」

 こうした動きにより、ブラジルは重要鉱物を巡る米中の争いで焦点となっている。米国は中国の業界支配力を弱めるため、世界中でレアアースを探し求め、アフリカからオーストラリアに至る各地のプロジェクトを支援している。