中国レアアース規制なら日本の実質GDP「1.3%減」に、26年の経済「0.8%成長」シナリオの高市財政リスクPhoto:SANKEI

実質GDP成長率、25年から減速も+0.8%
中国の対日輸出規制強化や長期金利上昇で下振れも

 2026年の日本経済はどのように推移するだろうか。

 大和総研では、実質GDP成長率を+0.8%と見込んでいる。25年の+1.2%(実績見込み)からは減速するものの、企業の好収益維持や高賃上げ継続による家計の所得環境改善が見込まれ、ゼロ%台半ばとされる潜在成長率を小幅に上回るプラス成長になるだろう。

 だが、この見通しの不確実性は大きい。

 トランプ関税は影響が一巡するものの、経済活動への下押し圧力が続く中、トランプ大統領が米中対立の激化などをきっかけに大幅な追加関税を実施する可能性も否定できない。

 日中関係は高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁をきっかけに急速に悪化したが、1月6日には、中国商務省が日本向けの軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制強化を発表した。中国側の一部報道では、レアアースなどの重要鉱物が対象に含まれる可能性が報じられている。

 仮に中国がレアアースの対日輸出規制に踏み切り、原材料の供給制約が1年間続けば、日本の実質GDPは1.3%(7兆円)程度減少する。

 すでに日本への渡航自粛が呼び掛けられている中国人訪日客減少だけでなく、日中間の貿易は大きな影響を受ける。

 さらに「責任ある積極財政」を掲げる高市政権の財政運営も注目される。高市政権は25年11月に史上6番目の大きさとなる事業規模42.8兆円の総合経済対策を取りまとめ、12月には歳出が過去最大の122.3兆円、国債費を初めて30兆円台に乗せる26年度当初予算案を閣議決定した。新発10年物国債の利回りは1月13日には一時2.160%まで上昇し、約27年ぶりの高水準になっている。

 高市政権は基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標を見直す方針だが、積極財政がインフレや円安を加速させたり、長期金利のさらなる上昇を招いたりする恐れがある。

 新年早々から、「下振れリスク」が顕在化したような状況で、思わぬ景気悪化に注意が必要だ。