「仕事のキャパが10倍になった!」「悩む時間が大幅に減った!」
そんな感想が届いているのが、木下勝寿氏のベストセラーだ。
今回はニトリの似鳥会長や食べチョク秋元代表から「ビジネスパーソンが一番読むべき一冊」と絶賛されている『時間最短化、成果最大化の法則』をもとに、「上司と部下の盲点の窓」について、ライターの樺山美夏氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
Photo: Adobe Stock
突如退職者が続出した理由
ある食品関係の会社に勤めるビジネスパーソンからこんな話を聞いたことがある。
30代半ばで東南アジア支店の店長に抜擢され、順調に顧客を増やしてきた矢先、突然、現地スタッフ数名から退職を告げられたという。
事の発端は現場リーダーの一言だった。
「顧客が増えても人手は増えていないから現場が回らない」と言われたのだ。
しかし、営業で忙しかった支店長は、「今はとりあえず現場でどうにかしてほしい」と放置していた。
すると、ある日突然、リーダーを含む部下数名が退職を申し出てきたのだ。
翌日からその支店長は、顧客対応から雑務まで何でもこなさなければいけなくなり、売上も激減。
「売上が増えるのは喜ばしいことだから、スタッフも当然、頑張ってくれると思っていたんですよね」と振り返っていた。
彼が決して悪意を持っていたわけではない。むしろ懸命に会社を成長させようとしていた。
ただ、現場の苦労に対する無頓着さという「自分では気づいていない欠点」が、積み上げてきたものを一瞬で崩してしまったのである。
自分の欠点は、なぜ自分にだけ見えないのか
著者はこの現象を「ジョハリの窓」という心理学の概念を軸に解説している。
人には4つの窓がある。
「自分にも他者にも見えている部分」
「他者には見えるが自分には見えていない盲点」
「自分だけが知っていて他者には見えない部分」
「誰にも見えていない未知の部分」
である。
成長を止める最大の要因は、この「盲点の窓」だ。
他者の「足かせ」はよく見えるが、自分の「足かせ」はほとんど見えないのだ。
(中略)
ある営業マンは、セールストークは抜群にうまいが、ちょくちょく大事なアポに遅刻してしまい、受注に失敗している。
この人は「次こそ受注するぞ」とセールストークを磨いている。自分の長所を磨くほうが楽しいからだろう。
でも、問題はセールストークではなく、遅刻グセを改善することだとまわりのみんなは知っている。
(中略)
人は自分の欠点から「無意識」に目をそらす。
短所から逃げるために、長所磨きにいそしむ。
――『時間最短化、成果最大化の法則』より
他者からの注意や否定的な意見を素直に受け取ることは、容易なことではない。
特に、知識、スキル、経験を積み上げ、実績に自信がある人ほど、自分を否定されることに抵抗があり、反発したくなるだろう。
だからこそ、まだ若いうちから自分の短所に早く気づけた人ほど、早く欠点を改善すれば、成長が加速する。
本書が示すのは「失う前に気づける人」が一流だということだ。








