「悩む時間が大幅に減った!」「仕事のキャパが10倍になった!」
そんな感想が届いているのが、木下勝寿氏のベストセラーだ。
なかでも、ニトリの似鳥会長や食べチョク秋元代表から「ビジネスパーソンが一番読むべき一冊」と絶賛されている本がある。『時間最短化、成果最大化の法則』だ。話題書をもとに、「100%達成できる人の考え方」について、ライターの樺山美夏氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

毎回「100%達成できる人」の考え方・ベスト1Photo: Adobe Stock

心理学の「ツァイガルニク効果」とは?

営業目標の達成率が、なぜか毎月ギリギリにならないと読めない。
月末近くになって焦り始め、駆け込みで顧客に連絡し、最終的には「今月もなんとかなった」で終わる。
そして翌月、また同じことを繰り返す。こんな綱渡りに心当たりがある人はいないだろうか。

私は入社一年目で営業をしていたとき、このプレッシャーで胃が痛くなった思い出がある。

本書によると、これは意志力の問題ではなく、心理学の「ツァイガルニク効果」と呼ばれる現象なのだ。

未完了の課題は脳が気になり続けるのに対し、「完了できそう」という見通しが立った時点で、脳が無意識に「終わったこと」として処理し始めてしまう。

目標達成そのものよりも、「達成できる見込みが立った瞬間」にモチベーションのピークが来てしまうのだという。

「少し下の結果」を脳は心地よく感じる

もう1つ似たようなケースで、毎月「あと少しで目標未達」が続くケースもある。

これには「コンフォートゾーン(ストレスや不安が少ない心理的に安全な領域)」という概念が関係している。

人間の脳には、慣れ親しんだ現状を維持しようとする防衛本能がある。
「目標より少し下の結果」が居心地のいい状態として定着すると、それ以上の成果を出すことが無意識のうちに「過負荷」と感じられ、エネルギーを抑制する方向に働いてしまう。
決してサボっているわけではないが、脳が勝手に「今くらいが適正だ」と判断してしまうのである。

「毎回達成できる人」の考え方の考え方

著者はこの構造を、毎回必ず達成できる人が実践している思考アルゴリズムを例に挙げて次のように示している。

「毎回必ず達成できる人」はこんな「思考アルゴリズム」を持っている。
作戦Aがうまくいく確率は25%(感覚値でOK)なので、残り75%を埋める作戦Bを並行して用意する。あるいはそれぞれ25%の作戦C、D、Eの3つを用意し、残り75%を埋める。

毎回必ず達成できる人の「必ずやる」は「達成確率の合計100%分の作戦を用意してやる」ということ。よって、「実業務」前の「作戦づくり」に多くの時間と労力をかける。

作戦を考える場合は次の3つの順序で行う。
1.「着眼法」で考える。他者のうまくいっている方法を検索したり、うまくいっている人に聞いたりする

2.作戦を「2段階」で考える。最初から予算や権限の枠内で考えたら脳内に制限がかかって作戦の幅が狭くなる。
そこで、まず難易度の高い課題に対し、「もし予算や権限無制限ならどんな方法で実現できるか」を考える。もし、イメージが湧きにくいときは「予算1億~10億円。社長と同じ権限を持っているならどうするか」と考えてみる。
次に、その考えついた方法を「予算や権限的に現実的なところまでどう絞り込むか」を考える


3.日々状況が変わることで「足りなくなった達成確率」を確認しながら、足りない分の作戦を補充する。作戦が失敗してから急に「新しい作戦」を考えると大変なので、常に100%分を用意しておく。するとダメになった分だけを追加すればいい
――『時間最短化、成果最大化の法則』より

達成できない人は、月初に高い目標を設定し、あとは成り行き任せで仕事をする。月末になって未達に気づくのは、毎回「運任せのギャンブル」をしているのと同じだ。

一方、毎回必ず達成する人は「達成確率100%分の作戦」をあらかじめ用意し、日々足りなくなった分を補充し続けている。
「今月もなんとかなった」という綱渡りから抜け出すためには、脳の特性と上手に付き合うことが不可欠なのだ。