「もっと自信を持ちなさい」
「いや持てないから苦しんでるんだろうが!」
「おまえに何がわかるんじゃい!!!」

話題の書籍『ほんとうのことを書く練習』から、「自己肯定感」の土台となる習慣を紹介します。(構成・写真/ダイヤモンド社書籍編集局・今野良介)

自分を検閲したがる人たち

自己肯定感が低い人には、ある共通点がある。

自分の話を聞いていないこと、だ。

そんなことはない、と反論するのはちょっと待ってもう少し読んでほしい。

私たちは毎日、自分のことを考えている。仕事の悩みもある。将来への不安もある。人間関係のストレスもある。頭の中はいつも自分のことでいっぱいだ。

しかし、それは「自分の話を聞いている」のとは少し違う。

多くの場合、私たちは、自分を「評価」して「責めて」いる。

もっと頑張れ。
そんなことで落ち込むな。
甘えるな。
考えすぎだ。
その程度で弱音を吐くな。

まるで厳しい上司のような言葉を自分に向け続けている。

『ほんとうのことを書く練習』で著者は、自分の中には「話し手」と「聞き手」がいる、と書いている。

多くの人の「聞き手」は、自分の話を最後まで聞いてくれない。

悲しいと言えば、「そんなことで落ち込むな」と否定する。
怒りを感じれば、「そんなこと考えるべきじゃない」と押し込める。

自分の感情を検閲しているのだ。

著者は、子どものころから「死にたい」という感情を抱えていたという。

ところが著者は、その感情を長年否定し続けてきた。

そして大人になり、カウンセリングの場で初めてその言葉を口にしようとしたときのことを、こう振り返る。

「死にたい」と言おうとすると喉がぎゅっと締まる。苦しくて、涙が溢れてくる。そんなこと考えちゃだめだ、そんなこと思う私はだめだ、と誰かに止められている気がする。でも、誰もそんなこと言っていない。

――『ほんとうのことを書く練習』より

そして著者は気づく。

一番近くにいる自分が、自分の言葉を拒絶していたのだ。何よりこわかったのは、一番近くにいる自分に拒絶されることだった。
――『ほんとうのことを書く練習』より

私たちは他人に否定されることを恐れているようで、実は、自分自身に否定されることを恐れているんじゃないだろうか。

自己肯定感という言葉を聞くと、「自分を好きになること」だと思いがちだが、本書を読んでいると、少し違う景色が見えてくる。自己肯定感とは、自分を褒めることでも、自信満々になることでもない。

まず、自分の話を最後まで聞くこと。愚痴でもいい。嫉妬でもいい。弱音でもいい。格好悪い本音でもいい。自分で自分の話を聞ききってあげること。自分が自分を許すこと。

著者はこう書いている。

自分だけは、何を言っても否定しない、拒まない、受け止めてくれるんだと実感すること。自分との間に信頼関係を築くこと。
――『ほんとうのことを書く練習』より

自分に自信が持てないなら、もし「自分は自己肯定感が低い」と感じているなら、『ほんとうのことを書く練習』を試しに読んでみてほしい。

そして、まずは1日5分だけでいい。誰にも見せないノートを開いて、「いま、どんな気持ち?」と自分に聞いてみてほしい。

「いつまでたっても自己肯定感が低い人」が見落としているたった1つの習慣好きなものでも飲みながら

自己肯定は、自分の話を聞くことから始まる。

「書く」は、そのための手軽で有効な手段だ。

(本稿は、『ほんとうのことを書く練習 「わたしの言葉」で他者とつながる文章術』の内容を引用して作成した記事です)