AIの登場、情勢変化、企業の人員削減……。そういったニュースを目にして、ふと、「この先も同じように働けるだろうか?」と迷うことはないだろうか。長い人生、必要とされ続けるためにはどうすればいいのだろう?
マイクロソフト元役員で、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』などのベストセラーを著書に持つ「働き方」の専門家・越川慎司さんは、「職場で評価され、必要とされ続ける人ほど、じつは自分の席にいないことが多い」という――。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・石井一穂)
※本稿は、越川慎司さんの最新刊『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)の一部を引用した書き下ろし記事です。

40歳で「会社に居場所がなくなる人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

居場所がなくなる人は、自席で「真面目」に働き続ける

 若い頃ほど、与えられたタスクをこなすスピードを追い求める。
 ミスなく処理したい。
 サボっていると思われたくない。
「一生懸命頑張っている人だ」と思われたい。

 だから、人は無意識のうちに「自分のデスク」にしがみつき始める。そして、パソコンの画面だけを見つめて、周囲との関わりを断絶してしまう。

 だが、ここに大きな落とし穴がある。

 どれだけ真面目に自席で作業をしていても、そこにこもっているだけでは新しい情報は入ってこない。

 どれだけ必死にキーボードを叩いていても、画面の向こうの作業だけでは組織を動かす信頼関係は築けない。

評価されている人は、だいたい「席にいない」

 一方で、40代以降も会社で必要とされ、輝き続ける人は違う。

 多くの人が「デスクから動かずに」必死になっている間に、じつは評価される人ほど社内を自由に歩き回っていた。

『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』では、次のような驚きのデータが紹介されている。

 調査によると、期待されている人たちの80%が、1日に7回以上、自分の席を離れていることがわかりました。
 期待されている人たち全体で見ても、1日平均で7回以上席を離れており、これは一般社員の2.3倍にあたります。
 なるべく自席に座って仕事に集中した方が「頑張っている」と評価されると思い込んでいる人が大半だと思いますが、調査では真逆の結果が出たのです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 彼らはただ移動しているのではない。
 廊下で偶然会った他部署の人に「お疲れ様です、さっきの件どうなりました?」と声をかける。

 そのわずか1分足らずの立ち話が、正式な会議の数十分に相当する価値を持ち、プロジェクトの進行を爆発的に早めていくのだ。

 ある調査では、このように偶発的な相談を週に5回以上している社員ほど、上司から「調整力がある」と高く評価されていることが示されている。

「自席にしがみつく」のではなく、社内を回遊して「偶然の出会い」を大切にする。

 それが、キャリア後半、社内で居場所をなくさない人の共通点だったのである。

(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。