うれしくて笑うのなら狙ったコースに投球でき、ストライクをとった瞬間に笑顔を見せてもよいはずですが、そういう人はほとんどいません。たいていの人は投球を終え、仲間たちのほうに振り向いたときに初めて笑顔を見せるのです。笑顔が社会的行為であることを示す結果といえるでしょう。

どこを見れば「本気の笑顔」と
「作り笑い」を区別できるのか

 私たちは、愉快でなくとも笑顔を見せるわけですから、相手が本気の笑顔を見せてくれているのか、それとも作り笑い、あるいは愛想笑いをしているだけなのかを、きちんと見分けられるようにしておいたほうがいいでしょう。そういう区別ができれば、おかしな勘違いをせずにすみます。

 営業に出かけたとき、担当者がニコニコとほほ笑みながら、「ふむふむ、それはいいお話ですね」と言ってくれたからといって、「たぶん次で契約がとれますよ」と上司に報告してもよいものでしょうか。良いわけがありません。担当者は、ただこちらの気分を害さないように作り笑いを見せていただけ、という可能性があるからです。

「う~ん、本当はすぐにお断りしてもいいんだけど、そうすると相手を傷つけちゃうかもしれないから、適当にお茶を濁しておくか……」と考えて笑顔を見せることがあるのです。

 では、どこに注目すれば本気の笑顔と作り笑いを区別できるのかというと、笑顔を「見せてくれる・見せてくれない」という次元で判断するのではなく、“笑顔の大きさ”で判断するようにするのです。

笑顔の大きさを
数値化してみる

 目の前の人が笑顔を見せてくれたときには、「ようし、笑ってくれた!」と判断するのではなく、笑顔の大きさがどれくらいなのかを数値化して判断するクセをつけましょう。具体的にはものすごく小さな笑顔を1点、満面の笑みを10点として、目の前の人の笑顔が何点くらいに当てはまるのかと考えてみるのです。

 絵画のモナ・リザのように非常に微妙な笑顔の場合には1点、口を開けて大笑いしている笑顔なら10点として考えるようにすると、本物の笑顔と作り笑いの違いに気づきやすくなるでしょう。