会議、相談、急な対応――上司になると、気づけば一日が「他人の予定」で埋まっていませんか。自分の仕事は夜と土日に持ち越し、余裕も判断力も削られていく。そんな負のループを断つ鍵にはどうすればいいのでしょうか?
SNSでビジネススキルについて情報発信を行い、総フォロワー数が37万人を超え、『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった、誰でも「しごでき」になれる令和リーダーの基本を本記事で紹介します。

「いつでもいい」ではなく、時間を限定する
上司になったとたん、あなたのカレンダーは「他人の予定」で埋め尽くされます。
定例会議、部下の進捗確認、他部署との調整、トラブル対応……。
朝出社してから夕方まで、息つく暇もなく会議室(やオンライン会議)を渡り歩き、ようやく席に戻ったと思ったら、部下からこう声をかけられます。
「○○部長、ちょっといいですか?」
この「ちょっといいですか?」の連続に対応しているうちに、気づけば時刻は19時。
そこからようやく、「自分自身がやらなければならない作業」に取り掛かる。
結果、平日は睡眠時間を削り、それでも終わらないので、土日にカフェでリカバーする。
このような働き方が常態化していないでしょうか?
この行動は、まさに私自身が経験してしまった負のループです。
だからこそ断言します。
「土日でリカバーすればいい」と考えた瞬間、上司としては黄色信号です。
上司が疲弊して余裕をなくせば、判断力が鈍り、チーム全体に悪影響を及ぼすからです。
上司の時間は、放っておけば必ず「奪われる」ものです。
上司が自分の作業時間を確保するためには、毎月給料から天引きで銀行口座にお金を貯めるように、カレンダーにまず「自分のための時間」をブロックしなければなりません。
私のコンサルタント時代の上司であり、某グローバル大手IT会社の副社長を務めた方のマネジメントスタイルは、まさにこの「時間の天引き」を徹底したものでした。
彼は毎朝、守衛さんがゲートを開ける6時に出社します。
そして、電話も鳴らず、誰にも邪魔されない「6時~8時」の2時間を、完全に「自分の作業時間」として確保していました。
この時間で、メール処理、資料の読み込み、重要な思考業務をすべて終わらせるのです。
そしてユニークなのがその後です。
「8時~10時」を、「部下からの相談時間」として開放し、「この時間はアポなしで席に来ていいぞ。何でも聞くぞ」と宣言していたのです。
なぜ、このようなスタイルをとっていたのか? 彼はこう言っていました。
「午後は社外との打ち合わせやトラブル対応など、自分ではコントロールできない予定が入る。だから、自分が確実にコントロールできる朝にすべてを終わらせるのだ」と。
これは極端な例かもしれませんが、原理原則は同じです。
「空いた時間にやろう」と思っていても、時間は一生空きません。
先にブロックした者だけが、自分の時間を守れるのです。
「相談していい時間」を区切り、ダラダラを排除する
とはいえ、毎日朝6時に出社するのは現実的ではないかもしれません。
そこで、私の会社で導入している、よりマイルドな手法をご紹介します。
それは、「社内の相談会議は11時~13時の間にしか入れない」というルールです。
上司も部下も、この2時間の間に集中して相談や報告を行います。
それ以外の時間は、原則として社内会議を禁止し、それぞれがお客様への対応や自分の作業に集中する時間としています。
時間を区切ることには、2つのメリットがあります。
一つは、上司が「いつ話しかけられるか」という中断のストレスから解放され、まとまった作業時間を確保できること。
もう一つは、部下側も「限られた時間で相談しなければならない」という意識が働き、要点をまとめて話すようになるため、コミュニケーションの密度が上がることです。
上司であるあなたは24時間営業のコンビニエンスストアではありません。
「いつでもいいよ」という優しさは、結果としてあなた自身を追い込み、チームの生産性も下げてしまいます。
明日から、カレンダーに「作業時間」を入れてください。
そして部下には「この時間は自分の作業に集中する。相談の時間は別に設ける」と宣言してください。
自分の時間をコントロールできる上司だけが、チームをコントロールできるのです。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』から一部を抜粋・編集し作成しました)














