笑顔で打ち合わせをする女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「雑談が苦手なんです」――営業の現場でも、コンサルティングの場でも、そんな悩みを打ち明けられることは少なくありません。初対面の相手に、何を話せばいいかわからない。天気の話だけでは広がらない。質問ばかりだと、なんだか尋問のようになってしまう……。

けれど実は、雑談に特別なセンスは必要ありません。面白い話も、気の利いたオチも、立派な結論もいらないのです。雑談に必要な「たった1つのコツ」とは?(作家・ファンセールスコンサルタント 和田裕美)

雑談が苦手な人は
「自分から話しかけていないだけ」かも?

「雑談が苦手」という人を見ていて、よく思うことがあります。

 それは、雑談が苦手なのではなく、まだ自分から話しかけていないだけなのではないか、ということです。

「何か面白いことを言わなければいけない」

「気の利いた話題を用意しなければいけない」

 そう考えすぎてしまうと、声をかけるタイミングそのものを逃してしまいます。

 でも、雑談はそんなに難しいものではありません。

 必要なのは、知識でも話術でもなく、相手への関心です。

 実際、人は雑談の中身をそれほど細かく覚えていません。

 覚えているのはむしろ、

「この人と話していて心地よかった」

「なんとなく感じがよかった」

 そんな感覚です。

 だから私は、最初の5分は「話題探し」の時間ではなく、関係づくりの時間だと思っています。

たったひと言が
人との距離を縮める

 以前、京都で法事があったときのことです。

 担当してくださったのは、おそらく20代くらいの若いお坊さんでした。

 法事が終わり、私がスーツケースを持って帰ろうとしていると、

「階段の下までお荷物をお持ちしましょうか?」

 と声をかけてくださいました。

 ありがたくお願いし、一緒に歩いていると、そのお坊さんが私のスーツケースを見て、「RIMOWA(スーツケースのメーカー)、いいですね」とひと言。

 私は内心、ああ、雑談の入り方が上手だなと思いました。