通知を受け取って頭を抱える夫婦写真はイメージです Photo:PIXTA

前編<中国人一家を国外退去に追い込んだ「経営・管理ビザ」の厳格化…日本で育てられた末っ子が父親に投げかけた“残酷な質問”>に続き、経営・管理ビザ厳格化がもたらした悲劇を取り上げます。日本は民主国家であり、信用できる法治国家だと思っていた――中国人経営者が抱く不満、急激な変化がもたらす「子どもたちへの精神的ダメージ」について当事者に話を聞きました。(日中福祉プランニング代表 王 青)

制度を悪用した人の
取り締まりには賛成だが…

 そもそも「経営・管理ビザ」とは、日本で事業の経営または管理に実質的に関わる外国人のための在留資格である。以前は「投資・経営」と呼ばれていたが、2015年に施行された入管法改正で現在の「経営・管理」という名称になった。

 この在留資格の特徴の1つは、要件を満たせば家族の帯同が可能な点にある。そのため、コロナ禍を経て、中国国内の経済環境や教育環境に不安を感じ、日本で事業を始め、家族とともに移住を目指す人も増えた。

 一方で、従来の要件は比較的ハードルが低いと受け止められてきた。

 資本金500万円で会社を設立し、実態の乏しい事業やペーパーカンパニーを通じて在留資格を取得しようとするケースもあったとされる。売り上げを水増しする、実際には経営活動をしていないといった事例も報じられてきた(日本経済新聞 7月25日)。

 政府が制度改正に踏み切った背景には、こうした悪用を防ぐ狙いがあると考えられる。制度の信頼性を守るため、不正を取り締まること自体は必要だろう。

 ただ、当事者から聞こえてくるのは、「不正対策」と「実態ある事業者への影響」が同時に起きていることへの戸惑いである。

 ある中国人経営者は、次のように話した。