食べログのアイコン、LINEヤフーとEQTのロゴPhoto:JIJI

レストラン検索・予約サービス「食べログ」を運営するカカクコムに買収提案しているLINEヤフーの買収スキームがダイヤモンド編集部の取材で分かった。米投資ファンドのベインキャピタルと共同出資会社を設け、共同出資会社がカカクコムにTOB(株式公開買い付け)を実施する方向だ。ところが、詳細を見ると、法令に触れかねないグレーなスキームであることが判明した。欧州系投資ファンドのEQTによるカカクコム買収に事実上の横やりを入れる格好となったLINEヤフーのグレーな買収スキームとは。(ダイヤモンド編集部編集長 名古屋和希)

食べログのカカクコムを巡る大争奪戦
LINEヤフーの買収スキームはグレー!?

 レストラン検索・予約サービス「食べログ」を運営するカカクコムを巡り、欧州系投資ファンドのEQTとLINEヤフー・プライベートエクイティ(PE)ファンド、米ベインキャピタル陣営の争奪戦が激化している。

 口火となったのは、EQTがカカクコムの買収を検討しているとの4月下旬の米ブルームバーグの報道だ。その後、5月7日にLINEヤフーが買収の初期提案をカカクコムに提出。EQTは5月12日に買い付け価格を1株当たり3000円とする総額5900億円規模の買収案を発表。カカクコムも買収提案に賛同を表明した。その2日後、LINEヤフーはEQT案よりも約8%高い1株当たり3230円の買収案を提示したと公表した。

 一方、カカクコムの株式を2割強保有する筆頭株主のデジタルガレージ(DG)は6月5日、LINEヤフー側の買収提案に応じない方針を発表した。DGはLINEヤフーの買収案について、「実現可能性は不十分」とし、EQTの買収案の支持を表明した。

 DGは、LINEヤフーが5月14日に公表した買収案について「公開買付けに係る正式な手続きやいわゆる予告TOBにも当たらないプレスリリース」と手続き面での不十分さを指摘しているが、LINEヤフーのカカクコム買収への執念は強い。それは、カカクコムへのデューデリジェンス(資産査定)が未完了にもかかわらず、EQT案を上回る買収価格を提示したことに表れている。

 カカクコム争奪戦が過熱する中、ダイヤモンド編集部の取材でLINEヤフーによるカカクコムの買収スキームが明らかになった。LINEヤフーは米ベインキャピタルとの共同出資会社を設け、共同出資会社がカカクコムにTOB(株式公開買い付け)を実施する方向だ。

 ところが、LINEヤフーによる買収手法の詳細を見ると、法令に触れかねないグレーなスキームであることが分かった。次ページでは、グレーなスキームの構造とともに、過去には法令上、問題となった類似事例も解説しながら、LINEヤフーがそのスキームを採用した思惑を明らかにする。また、スキームそのものと、同社幹部の公での発言が示す矛盾についても明かす。