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「電子レシート」でメタボな財布を解消!?
それだけでない顧客メリットと、店側の狙い

待兼音二郎
2013年7月26日
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現在は利用者の8割が開封しているが
今後は「スルー」の回避が課題

 その有効性は、レシートメールの開封率に表れている。Brick Street Software社のシステムを利用した「Spently」というサービスでは、開封率がじつに80%にもなることが、メールのトラッキング機能で確かめられているという。

 このe-レシートを日本で提供するエクスネットの渡辺勇社長は、レシートメールで「小売業界が変わる」と確信している。

 たとえば、スーパーマーケットの集客手段は新聞の折り込みチラシが中心だが、新聞折り込みではコストが高くつきすぎる。しかしコンビニとは違って、スーパーは他所より安いから来てもらえるのだ。安さの情報が伝わらなければ来店客を獲得できない。ただしいったん来店した客は、何も買わずに帰るということは少ない。

 そこで、広く浸透してきたスマホを活用して、主婦や中高年にもレシートメールでリピーターになってもらえるなら、広告として費用対効果は大きい、と渡辺氏は考えたという。

 ただし懸念はある。電子メールは、日付が古くなれば新着メールの洪水に埋没するからだ。手元のスマホに電子クーポンを持っていながら、そのメールの存在を忘れることになりやしないか? GPSやスケジューラーなどと組み合わせて、クーポンが使えますとリマインドする機能なども必要になってくるだろう。

 さらに実店舗では、買ったその場でレシートがほしいという要望も多い。値引きの反映を確かめたい人もいるし、後からメールでもらっても、もういらないという声も多いのだ。

 とはいえ、紙と違って保管に場所をとらず、紛失する心配もない電子メディアならではのメリットも大きい。配信メールアドレスをIDにすれば、将来的にはポイントカードの機能や、商品の保証システムとの連携も視野に入る。

 顧客サービスとマーケティングの両面で、レシートの電子化は小売業界にとって大きな課題と言えるだろう。

(待兼音二郎/5時から作家塾(R)

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