JIJI / MORIO TAGA
東芝から切り出された半導体メモリー事業を源流に持つキオクシアHDが、いまや時価総額約50兆円となり日本企業の頂点に立っている。だが、その“稼ぎ頭”を手放した母体の東芝は、2023年12月に上場廃止へ追い込まれた。世界初のノートPC「Dynabook」で一時代を築いた名門企業は、なぜ虎の子のNANDメモリーを売却し、市場から姿を消すことになったのか。東芝の経理部門で販売勘定や棚卸資産の管理、決算業務から
NANDメモリー事業の切り出しの失敗とゴールドマン・サックスの増資に頼ったこと
2025年3月19日、東京高裁で判決があった。以下翌20日朝日新聞の記事を引用する。
東芝で2015年に発覚した不正会計をめぐり、同社が旧経営陣に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(中村也寸志裁判長)であった。判決は、旧経営陣の責任を認めて佐々木則夫元社長ら3人に計約2億円の支払いを命じた一審・東京地裁判決を取り消し、東芝の逆転敗訴とした。
一審は、東芝の国内外のインフラ事業3件について、将来に見込まれる損失を示す「損失引当金」を適切に計上しなかった処理などは違法だとしたうえで、「旧経営陣は中止、是正させる義務を怠った」と判断。東芝が訴えた佐々木元社長、田中久雄元社長、久保誠元副社長の3人と、株主が訴えた2人の計5人に対し、金融庁から納付を命じられた課徴金などの一部である約3億円の賠償を命じていた。
原告と被告の双方が控訴したが、東京高裁での審理中に東芝が東京証券取引所への上場を廃止したため、高裁は24年の判決で、株主について「原告適格を欠く」と判断。5人のうち2人に対する賠償命令を取り消していた。
19日の高裁判決は、東芝の担当部署の資料などをもとに、問題とされたインフラ事業について多額の損失が出る可能性が指摘されていたものの、損失の回避や金額の圧縮の方策も検討されていたなどと指摘。「会計処理が違法だったとはいえない」と判断した。
高速道路上のETC設備の更新工事など一部の事業については、「損失を前提とした引当金を計上すべきだった」と述べた。しかし東芝の企業規模を踏まえると、投資家の判断に影響を与えるかという観点からは「重要な事項の虚偽記載をしたとはいえない」と判断。一審を覆し、3人への賠償請求を退けた。
東芝側は訴訟で、パソコン事業や映像事業での利益水増しも問題視したが、高裁は「会計基準に違反したとは認められない」と結論づけた。故・西田厚聰元社長の賠償責任も、一審と同様に否定した。
(2025年3月20日付 朝日新聞の記事から引用)
一審は、東芝の国内外のインフラ事業3件について、将来に見込まれる損失を示す「損失引当金」を適切に計上しなかった処理などは違法だとしたうえで、「旧経営陣は中止、是正させる義務を怠った」と判断。東芝が訴えた佐々木元社長、田中久雄元社長、久保誠元副社長の3人と、株主が訴えた2人の計5人に対し、金融庁から納付を命じられた課徴金などの一部である約3億円の賠償を命じていた。
原告と被告の双方が控訴したが、東京高裁での審理中に東芝が東京証券取引所への上場を廃止したため、高裁は24年の判決で、株主について「原告適格を欠く」と判断。5人のうち2人に対する賠償命令を取り消していた。
19日の高裁判決は、東芝の担当部署の資料などをもとに、問題とされたインフラ事業について多額の損失が出る可能性が指摘されていたものの、損失の回避や金額の圧縮の方策も検討されていたなどと指摘。「会計処理が違法だったとはいえない」と判断した。
高速道路上のETC設備の更新工事など一部の事業については、「損失を前提とした引当金を計上すべきだった」と述べた。しかし東芝の企業規模を踏まえると、投資家の判断に影響を与えるかという観点からは「重要な事項の虚偽記載をしたとはいえない」と判断。一審を覆し、3人への賠償請求を退けた。
東芝側は訴訟で、パソコン事業や映像事業での利益水増しも問題視したが、高裁は「会計基準に違反したとは認められない」と結論づけた。故・西田厚聰元社長の賠償責任も、一審と同様に否定した。
(2025年3月20日付 朝日新聞の記事から引用)
東芝は2017年3月期に1兆円の損失を抱え5000億円を超える大幅な債務超過に陥った。債務超過状態を2018年3月期までに解消して上場を維持することが大前提と綱川智社長は強く思ったようである。そして虎の子の半導体NANDメモリーを売却するとの決断を下した。
しかしNANDメモリーの売却は、順調にはいかなかったため、緊急避難的に債務超過解消策として、東芝は2017年12月5日払い込みで約6000億円の第三者割当増資を行った。第三者割当増資は、東芝と友好関係が強かった野村證券や銀行系証券会社でなく、ゴールドマン・サックス証券が取りまとめたものである。







