スターバックスのコーヒー4000億円規模とも伝えられているスターバックスの日本事業は誰の手に渡るのだろうか 撮影=ダイヤモンド・ライフ編集部

絶好調なスタバの「日本事業売却」報道に、「なぜ儲かるのに手放すの?」と疑問を抱きませんか?かつて東芝が稼ぎ頭の「キオクシア」を売却したのも同じ構図です。不振の本業を切り離し、成長事業を残すほうが理にかなっているはずなのに、なぜ大企業はあえて「稼ぎ頭の売却」を選ぶのでしょうか?優良事業を手放すことが「正解」となる、リアルな経営判断のプロセスを解説します。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

米国スタバを大コケさせた
「経営判断ミス」とは?

 スターバックスが日本法人の売却を検討しています。売却規模は想定で4000億~5000億円になると報じられています。

 実はアメリカ本社から見ると日本のスターバックスは傑出して優秀な業績を収めています。収益性も高く、成長性も高い。非常にうまくいっているのです。

 日本人の顧客はスタバを特別な場所だと考えています。競合のコンビニのコーヒーがあれだけおいしいのにもかかわらず、スタバの店舗で淹れてもらう一杯のカフェラテには代えがたい価値があります。サードプレイスとしてのスタバの店舗は、ほかのどの場所よりも心がおちつく環境です。一日のどこかで、スタバに滞在する時間は貴重なひとときです。

 スタバというブランドがこれだけ支持されて、これだけの顧客価値を生み出している国は他にはありません。それなのになぜアメリカ本社は日本事業を売却するのでしょうか?

 理由は「日本以外の事業がうまくいっていないから」です。

 一番大きな問題を抱えているのは売り上げの7割を占めるアメリカです。アメリカではスタバが急速に消費者の支持を失ってしまいました。背景には過去の経営陣の経営判断ミスがあったようです。