「仕事のキャパが10倍に!」
「悩んでいる時間が激減!」
こんな感想が寄せられているのが木下勝寿氏のベストセラー4部作だ。読者が衝撃を受けたのはモチベーションや頑張り方ではない。「考え方のクセ(思考アルゴリズム)」だった。
話題の新刊で木下氏は「地頭は『センス』ではなく『スイッチ』。押し方を知れば変えられる」と語る。今回は特別に新刊から一部を抜粋してお届けしよう。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
Photo: Adobe Stock
「知頭」と「地頭」とは?
本書では、下の図表のように、人間の脳の機能を大きく2つに分けて考えます。
上が「知頭(ちあたま)ゾーン」、下が「地頭(じあたま)ゾーン」です。
「知頭」の機能は、知識をため、記憶すること。
「地頭」の機能は、思考し、理解すること。
機能が違うので、「問い」と「答え」に対する向き合い方がまるで違います。
知頭が行っているのは、「問いと答えの組合せ」をストックしていく作業です。
図表 「知頭」と「地頭」の違い
・「この業務はこの手順でやる」
・「この仕事はこのフォーマットで進める」
といった具合に過去のやり方を蓄積していきます。
知頭でアウトプットする場合、思考の動きは次のようになります。
・知っている問い、経験したことのある問いに出合ったとき
→すでに知っている答えをそのまま当てはめる
・知らない問い、未経験の問いに出合ったとき
→過去の「似た問い」の答えを当てはめる
※同じ「自動車」という括(くく)りだけで、軽自動車の広告のつくり方をフェラーリに当てはめてしまう等
→「似た問い」がなければ他人に答えを聞き、そのまま採用する
知頭は技術にたとえると検索エンジンに近く、すでにある答えから問いに合いそうなもの(同じキーワードが含まれているもの)を探してきます。
このように知頭は「すでにある答え」を探すため、「知らない問い」には自力で答えられません。定型業務や反復作業に強い一方、未知の状況や前例のない問いには弱いのです。
仕事現場で、こんな声を聞くことはありませんか。
「やったことがないのでできません」
「やり方を知らないので無理です」
これらは知頭で仕事をしているサイン。知識や経験が足りないというのではなく、「考えるモード」に切り替わっていないのです。
厳密に言うと、知頭モードでの「考える」とは「過去に培った知識に答えがあるかどうかを考える」であって、「問い」に対し「答えそのものを考える」わけではありません。
いわば、「2×3=6」を「にさんがろく」と丸暗記している状態。理由はわからないけれど、「そう習ったから答えは6」。残念ながら「12×36は?」という問いには答えられません。「2×3=6」になる「理由」がわからないからです。
地頭の「正解」の出し方
一方の地頭は、問いと答えの間にある「理由」を考えようとします。
知頭が「答えそのもの」を丸暗記していくのに対し、地頭は「どうやってその答えにたどり着いたのか」という思考の道筋を考えます。
つまり、地頭がインプットするのは「答え」ではなく「答えの出し方」。
そして、地頭がアウトプットする場合、次のような行動になります。
・知っている問い、経験したことのある問いに出合ったとき
→理解している「答えの出し方」を使って対応する
→同じ問いでも、状況が違えば、あえて別の答えを出す
・知らない問い、未経験の問いに出合ったとき
→理解している「答えの出し方」を使って、新しい答えを生み出す
知頭が「過去の正解」を探しにいくのに対し、地頭は「目の前の条件からその場で考える」という違いがあります。
これは生成AIの推論モデルに近く、あらかじめ決められた答えを探すのではなく、入力された情報をもとに、その場で最適な答えをつくり出していきます。
地頭スイッチが入っていると、マニュアルがなくても、正解を知らなくても、自分の頭で考えることができます。
(本記事は書籍『地頭スイッチ』の一部を抜粋・編集したものです)








