子どもの言語化力を高めるには、教科書やドリルで勉強するよりも、家族や友達との日常生活や遊びの中で自然に楽しく身につけたほうが、子ども自身もやる気がわくし、言語化力の応用範囲も広がります。マンガと言葉を使ったゲームを通じて、小学生の子どもが楽しく言語化力を身に付けられると話題の一冊『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)の著者で文章の専門家・山口拓朗氏がースに親御さん向けの記事と書き下ろします。

「そりゃ言葉が増えないわ…」子どもの語彙力を止める親のNG返事ワースト1Photo: Adobe Stock

交わされる言葉が「ざっくり」していないか

「うちの子、語彙が少ない気がする」「思っていることを、具体的に言葉にできていない」。

そんな悩みを抱える親は、少なくないはずです。

しかし、子どもの語彙力が伸びない家庭には、ある共通点があります。それは、家庭内で交わされる言葉が、いつも“ざっくりしている”ことです。

たとえば、子どもに「何してるの?」と聞かれて、「仕事してるよ」「片づけしてるよ」「料理中だよ」と、大きなくくりで答えていないでしょうか。
こうした答え方では、子どもが触れる言葉の種類は増えません。子どもは、親の日常会話から言葉を吸収しています。つまり、親が使う言葉の幅が、そのまま子どもの語彙の土台になるのです。

大切なのは、ざっくりした表現を具体的な表現に変えることです。

たとえば、「仕事してる」に続けて、「◯◯のメールを書いてる」「◯◯の企画を考えてる」「◯◯の資料を見直してる」と伝える。

「片づけしてる」に続けて、「本を本棚に戻してる」「クローゼットに服をしまってる」「机の引き出しを整えてる」と言う。買い物なら、「野菜を選んでる」「値段を見比べてる」「レジでお金を払っている」「牛乳と果物を袋に詰めてる」と説明する。

こうして具体的に伝えることで、子どもが触れる言葉が一気に増えます。

さらに意識したいのは、動作だけでなく、状態や感覚も言葉にすることです。
「今日は風がひんやりしてるね」「このタオル、ふわふわだね」「スープがあつあつだね」。
こうした表現は、子どもの観察力と言語化力を同時に育てます。

言葉が増えると、その子が見る世界も細かくなります。細かく見えるようになると、考える力も育っていくのです。

家庭内の何気ない会話は、子どもにとって最高の語彙力トレーニングの機会です。特別な教材を用意しなくても、日々の会話を少し変えるだけで、子どもの語彙力は確実に育っていきます。

*本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。