多くの企業が頭を抱える
社内の「大課長」問題

 本稿では、課長よりも上のポストにあるにもかかわらず、課長と同じような仕事をしている人たちのことを「大課長」と呼んでいます。なぜそれが問題なのかを理解するためには、課長と部長、本部長などの役割を知り、それぞれに求められる業務の違いを理解する必要があります。

 まず初めに、管理職とは一体何なのかを確認しておきましょう。

 これまで多くの日本企業では、高校や大学を出たばかりの新卒者を採用し、会社員としてのスタートを切らせてきました。ここからしばらく、彼らは役職のない「一般社員」という扱いになります。その後は勤続年数を重ねながら「主任」になり、次は「係長」になり、さらに「課長」になり……といった順に昇進するのが、会社員の平均的な出世コースでした。

 この序列の中でいうと、一般的に管理職とされるのは、課長から上の役職者たちです。その呼称や詳細な職掌は会社によって異なりますが、ここでは「役員・経営層」「部長・本部長」と「課長」、そして「係長」以下の社員という、4つのカテゴリに大別して論じていきます。

 本部長は事業部長と呼ばれたりしますが、ここでは複数の部長の上の役職として扱います。中間管理職という意味では、「部長・本部長」も「課長」も同じですが、そこには大きな役割の違いがあります。

 課長以上の役職者の業務内容は、(1)マネジメント対象が「ヒト」か「コト」か、(2)マネジメントの期間が「長期」なのか「短期」なのかという2つの軸によって、大きく4つに分けることができます。この分類を図解したものを、図1-1に示します。

図表1-1 役割の4象限マトリクス同書より転載 拡大画像表示