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管理職が転職の面接を受ける際、面接官から「何ができますか?」と聞かれて「部長ならできます」と答える有名なジョークがあるが、海外の人には、この笑いのツボが理解不能だという。内外の労働事情に詳しい筆者が、日本でお飾り管理職ポストが多数生まれる背景に迫る。※本稿は、労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎『管理職の戦後史 栄光と受難の80年』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
日本社会の「部長」は
長年働いたご褒美!?
日本的な「管理職」概念の特殊性をよく示している小咄から始めましょう。おそらく読者もどこかで耳にしたことがあると思いますが、大企業の部長経験者が面接に来て、「あなたは何ができますか?」と聞かれて「部長ならできます」と答えた……という小咄です。
これのどこが笑い話なのか?と欧米人なら聞くでしょう。
ビジネススクールを出て管理職として働いてきた人が「部長ならできます」というのは、メディカルスクールを出て医師として働いてきた人が「医者ならできます」というのや、ロースクールを出て弁護士として働いてきた人が「法務ならできます」というのと、本質的に変わりはないはずです。
しかし、日本では変わりがあるのです。なぜなら、日本の労働社会では、管理職というのはいかなる意味でも職種ではないからです。
では日本型雇用システムにおいて管理職とは何なのか?その答えは読者の方が重々ご承知ですよね。少なくとも、上の笑い話をみておかしさが分かった人は知っています。







