仕事に全力を注いできた人ほど、40代になって突然、「もう頑張れない」「何のために働いているのかわからない」と感じることがあります。そんな“燃え尽き症候群”は、単なる疲れではなく、人生の目的を見失ったサインなのかもしれません。『世界の果てのカフェ』には、働く意欲を取り戻すためのヒントになる、印象的な言葉があります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
Photo: Adobe Stock
燃え尽き症候群で意欲が湧かない?
最近、私はこんな相談を受けることがあった。
この相談を聞いて、私は「仕事が嫌いになった」のではなく、「目的を見失ってしまった」のではないかと思った。
実際、仕事そのものが急に変わったわけではない。
変わったのは、自分の内側なのだ。
そんなとき、私は『世界の果てのカフェ』という本の一節を思い出す。
燃え尽きる人は「目標」を失った人ではない
燃え尽き症候群というと、「働きすぎたから」と考えられがちだ。
もちろん、それも一因だろう。
しかし、同じように忙しく働いていても、いきいきしている人はいる。
その違いは何か。
それは、「何のために働いているのか」が見えているかどうかだ。
20代や30代は、昇進や昇給、新しい仕事など、目の前にわかりやすい目標がある。
だから頑張れる。
しかし40代になると、多くのことを経験し、新鮮さも薄れていく。
すると、仕事は「こなすもの」になり、意欲も少しずつ失われていく。
人は「問い」があるから動き出せる
『世界の果てのカフェ』には、こんな言葉がある。
――『世界の果てのカフェ』より
私はこの一節がとても印象に残っている。
意欲とは、誰かに与えられるものではない。
新しい役職でも、高い給料でもない。
「自分はなぜここにいるのか?」という問いが、自分の中に生まれたとき、人は自然と答えを探し始める。
そして、その答えが少しずつ見えてくると、不思議なことに、もう一度前へ進みたくなるのである。
宝の地図を見つけた人は止まれない
本書では、その状態をこんな比喩で表現している。
――『世界の果てのカフェ』より
この「宝の地図」という表現は、とても美しい。
燃え尽きている人は、エネルギーがなくなったのではない。
宝の場所が見えなくなってしまったのだ。
だから歩けない。
しかし、目的地が見えれば、人は驚くほど自然に動き始める。
子どもが宝探しに夢中になるように、人は意味を見つけた瞬間、再び意欲を取り戻すのである。
働く意欲を取り戻すために必要なこと
相談者に私はこう伝えた。
「仕事を変える前に、問いを変えてみてください」
「どうすればやる気が出ますか?」
ではなく、
「私は、なぜここにいるのだろう?」と問いかけてみる。
燃え尽き症候群を乗り越える方法は、気合いや根性ではない。
休暇だけでもない。
人生の目的を、もう一度自分に問い直すことである。
その問いが、あなた自身の中に眠っている「宝の地図」を見つけてくれる。
そして、その地図を手にした人は、誰かに励まされなくても、自分の足で歩き始めることができるのだ。
(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)




