仕事に全力を注いできた人ほど、40代になって突然、「もう頑張れない」「何のために働いているのかわからない」と感じることがあります。そんな“燃え尽き症候群”は、単なる疲れではなく、人生の目的を見失ったサインなのかもしれません。『世界の果てのカフェ』には、働く意欲を取り戻すためのヒントになる、印象的な言葉があります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「燃え尽き症候群で働く意欲が湧きません」。仕事の悩みに効く名言・ベスト1Photo: Adobe Stock

燃え尽き症候群で意欲が湧かない?

 最近、私はこんな相談を受けることがあった。

「20代の頃はバリバリと働きました。30代も仕事が楽しかった。それなのに、40歳を境に、同じことの繰り返しになり、燃え尽き症候群になってしまいました。働く意欲が全く湧かないのです。どうすればよいでしょうか?」

 この相談を聞いて、私は「仕事が嫌いになった」のではなく、「目的を見失ってしまった」のではないかと思った。

 実際、仕事そのものが急に変わったわけではない。
 変わったのは、自分の内側なのだ

 そんなとき、私は『世界の果てのカフェ』という本の一節を思い出す。

燃え尽きる人は「目標」を失った人ではない

 燃え尽き症候群というと、「働きすぎたから」と考えられがちだ。
 もちろん、それも一因だろう。

 しかし、同じように忙しく働いていても、いきいきしている人はいる
 その違いは何か。

 それは、「何のために働いているのか」が見えているかどうかだ。
 20代や30代は、昇進や昇給、新しい仕事など、目の前にわかりやすい目標がある。
 だから頑張れる。

 しかし40代になると、多くのことを経験し、新鮮さも薄れていく。
 すると、仕事は「こなすもの」になり、意欲も少しずつ失われていく

人は「問い」があるから動き出せる

世界の果てのカフェ』には、こんな言葉がある。

問いかけることで、答えを探そうという意欲がわいてくるの。答えを見つけたら、同じように強烈な意欲がわいてくる。つまり、自分がなぜここにいるのか、なぜ存在するのかという、生きている理由を知ってしまうと、人はその理由を満たしたいと願うようになる。
――『世界の果てのカフェ』より

 私はこの一節がとても印象に残っている。
 意欲とは、誰かに与えられるものではない。
 新しい役職でも、高い給料でもない。

「自分はなぜここにいるのか?」という問いが、自分の中に生まれたとき、人は自然と答えを探し始める。

 そして、その答えが少しずつ見えてくると、不思議なことに、もう一度前へ進みたくなるのである。

宝の地図を見つけた人は止まれない

 本書では、その状態をこんな比喩で表現している。

たとえるなら、宝の地図の×印を見ているようなもの。×の場所を知ってしまえば、宝を無視するのは難しくなる。追いかけずにはいられなくなる。自分がなぜここにいるかがわかれば、その目的を満たさないでいるのは、感情的にも肉体的にも難しくなるのよ。
――『世界の果てのカフェ』より

 この「宝の地図」という表現は、とても美しい。
 燃え尽きている人は、エネルギーがなくなったのではない。
 宝の場所が見えなくなってしまったのだ

 だから歩けない。
 しかし、目的地が見えれば、人は驚くほど自然に動き始める

 子どもが宝探しに夢中になるように、人は意味を見つけた瞬間、再び意欲を取り戻すのである。

働く意欲を取り戻すために必要なこと

 相談者に私はこう伝えた。

「仕事を変える前に、問いを変えてみてください」
「どうすればやる気が出ますか?」

 ではなく、

「私は、なぜここにいるのだろう?」と問いかけてみる

 燃え尽き症候群を乗り越える方法は、気合いや根性ではない。
 休暇だけでもない。

 人生の目的を、もう一度自分に問い直すことである。
 その問いが、あなた自身の中に眠っている「宝の地図」を見つけてくれる
 そして、その地図を手にした人は、誰かに励まされなくても、自分の足で歩き始めることができるのだ。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)