「ちょっと面倒くさい人」に振り回されない方法【気疲れゼロ】〈風、薫る第69回〉『風、薫る』第69回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第69回(2026年7月2日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

じゃれあうりんとシマケン

「この前、直美さんから(トンビこと紙飛行機)受け取りました。ありがとうございます」
「要らなかったです、っていうほうがよかったんだけど」
「残念ながらうれしかったです」

 りん(見上愛)とシマケン(佐野晶哉)の会話である。

 シマケンの屈折をまったく意に介さないりん。

 りんは「私、大事なときに間違えてばかりだから」と自分を卑下している。おそらく、要らなかったというほうがいいと言うシマケンに、うれしかったと答えてしまったことを間違いだったとりんは反省しているだろう。だが、シマケンへの彼女の返しはたぶん、間違っていない。

 だからこそ、シマケンとりんは相性がいいのだろう。シマケンの屈折をいちいち真に受けていたら疲れるし、袋小路に陥ってしまう。りんくらい肩の力が抜けているほうが、気疲れもしない。

 屈折した家人や友人、仕事関係者に対して、どう接したらいいか、参考になる事例である。

 りんはシマケンと看護の仕事について語る。第14週は急に「天職」という概念がわいてきて、登場人物がにわかに「天職」について考えはじめている。

 ここでも真面目に看護という仕事についてりんが悩んでいると、看護が好きなりん→看護が好きなりんが好き→りんが好きと、話題はちょっと違った「好き」にスライドしていく。

 人間は公私を切り分けなくてはいけないと自分を律しながら、そうできないこともあるものだ。そこが人間のおもしろさ。

 りんがものすごく真面目に看護について考えているのに、なんだかふたりでじゃれあっているみたいになる。

「シマケンさんは私のトンビですね」