看護婦の給料は公務員の5分の1!?明治の「月10円」、価値はどのくらい?〈風、薫る第62回〉『風、薫る』第62回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第62回(2026年6月23日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

ツヤは講義を受けたい

 冒頭、出納帳が映る。

 りん(見上愛)たちが提案してはじめた備品のチェック用だ。精神論や技術だけでなく経済的な面からも看護を考えている現れだ。

 りんはツヤ(東野絢香)の希望を聞いて講義を受けさせたいと、仲間たちに相談する。

 試験も受けないで入ることに懸念を示す意見もあった。が、最も反対しそうな多江(生田絵梨花)が意外にも好意的。

 喜代(菊池亜希子)とツヤの関わりを実習が一緒で知っていたからだ。子どもがいないために離縁されたふたりのつらい事情を知っていた多江はツヤを応援したい。

 りんたちはさっそく院長(筒井道隆)に直談判に向かった。

 経験と技術とやる気のある看病婦に看護婦への道をつくるべきだと主張。看護婦取締の地位を有効活用している。

 りんたちに特権的な高い地位を与えてしまったばかりに面倒くさいことになった。院長はきっとそう思ったことだろう。

 しぶしぶ特別に授業を受けさせることにする。ただ、29歳までなら看病婦から看護婦になる講義を受けることができると規定した。誰もが看護婦になりたいと言いだすと厄介だ。つまりフユ(猫背椿)とヨシ(明星真由美)たちは講義を受ける資格は得られない。

 このルールはこの場面ではさらりと流れていくが、線引きとしてはなかなかシビアである。

 授業料は半額。家中かき集めればなんとか用意できるとツヤは張り切る。

 看病婦の給金はさほど高給ではないだろうから、無理をすることになるに決まってる。りんも清水の舞台から飛び降りるような気持ちで2年間学んでいたはず。だからツヤの気持ちはわかるだろう。

 だがツヤははじめての出席の日、授業に遅れてくる。