もっと新しいものに触れれば、もっと面白い人に会えれば、満たされるはずだと感じながら、それでも何かが足りないように感じている――そんな状態に心当たりはないだろうか。

「新しさ」を求め続けることは、幸福への道ではない
むやみに新しいものを探したり、新しい人に会ったり、新しい愛を求めたりすることは、
幸福への道ではないとされている。
これは、新しい経験そのものを否定しているわけではない。
「新しさ」を求め続けることそのものを、幸福の手段として捉えてしまうことへの、
一つの問い直しだ。
新しいものに触れると、一時的な高揚感がある。
しかし、その感覚は長続きしないことが多い。
気づけば次の新しいものを探し、また次の出会いを求めている――
そのループを繰り返すうちに、今自分が持っているものの価値を、
見失っていくことになりやすい。
大事なものは、自分の心のなかにある
外部に新しいものを探そうとするのではなく、いま持っているものの価値を振り返ってみるべきだ。
大事なものは、自分の心のなかにある。すなわち、世界を見つめる一貫した目と、心持ちと、態度だ。
自分の内側に幸福の価値を据えれば、安定した満足感を得られることだろう。
外部に新しいものを探そうとするのではなく、
今すでに持っているものの価値を振り返ってみることが大切だという。
大事なものは、自分の心のなかにある。
具体的には、世界を見つめる一貫した目、心持ち、そして物事に対する態度だとされている。
これらはいずれも、外から与えられるものではなく、
これまでの経験や思索を通じて、自分自身のなかに育まれていくものだ。
自分の内側に幸福の価値を据えることができれば、
外部の状況に左右されにくい、安定した満足感を得られるようになるという。
外ではなく内に、幸福の根拠を置く
幸福を外部のものに求めると、その対象が変化したり、失われたりするたびに、
幸福そのものが揺らいでしまう。
新しい刺激が途切れれば退屈を感じ、好きだった人と関係が変わればつらくなる。
幸福の根拠を外側に置き続ける限り、その安定は保ちにくい。
一方で、物事をどう見るか、どんな心持ちでいるか、
何に対してどんな態度で向き合うかといった、内側の在り方を育てていくことは、
環境や状況が変わっても揺れにくい安定の土台をつくっていくことにつながる。
今この瞬間、すでに自分が持っているものの価値に目を向けることが、
その出発点になる。
今日から試すなら、新しいものを求める前に、今自分がすでに持っているものを一つだけ書き出してみることだけでいい。
(本記事は『求めない練習 絶望の哲学者ショーペンハウアーの幸福論』をもとに作成しました)









