「30分くらいで終わると思っていたのに、気づけば2時間もかかっていた」。そんな経験はないでしょうか。多くの人は「見積もりが甘かった」と反省します。実は、仕事が予定どおり終わらない人には共通する特徴があります。書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、その原因と改善法を紹介します。

「30分で終わる仕事」に2時間かけてしまう人のダメな共通点Photo: Adobe Stock

「見積もりが甘い」のではなく、「切り替えが多い」

「30分で終わると思っていたのに、気づけば2時間かかっていた」。そんな経験はないでしょうか。多くの人は、「自分は時間の見積もりが苦手なんだ」と考えます。

しかし、本当の原因は時間感覚ではありません。切り替えが多いのです。

資料を作り始めたと思ったらメールを返し、チャットに返信し、調べ物を始め、また資料に戻る。一見すると忙しく働いているようですが、そのたびに「手を動かす時間」が途切れています。その結果、本来30分で終わる仕事が、1時間、2時間とかかってしまうのです。

人はマルチタスクができない

書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』には、次のような一節があります。

実は人間の脳は、そもそもマルチタスクができないことが明らかになっています。つまり、マルチタスクに見えていても、それはマルチタスクで進めている気分になっているだけ。実際はただの「シングルタスクの高速切り替え」状態なのです。
これでは、何度も頭のスイッチを切り替えることに、大事な脳のキャパシティを使っていることになります。「切り替えていたら一日が終わった」なんてことにもなりかねません。

忙しく仕事を切り替えていると、「たくさん仕事を進めている」と感じます。

しかし実際には、一つひとつの仕事は途中で止まり、そのたびに頭のスイッチを入れ直しています。つまり、忙しさは増えても、「手を動かしている時間」は増えていません。これが、仕事が思った以上に長引く大きな原因です。

仕事を分解すると、切り替えが減る

そこで重要なのは「仕事を細かく分解する」ことです。

例えば、「資料を作る」という仕事を、「構成を決める」「必要なデータを集める」「グラフを作る」「文章を書く」「上司に確認を依頼する」と分解しておけば、最初に考えることを終わらせられます。

すると、その後は作業だけに集中できます。

仕事を分解する目的は、見積もりを正確にすることだけではありません。切り替えをなくし、「手を動かす時間」を長く連続させることでもあるのです。

仕事ができる人は「実行時間」を守っている

仕事ができる人は、「30分」という時間を管理しているのではありません。「この30分は手だけを動かす」と決めていて、「考えること」を、その前に終わらせています。だから、一度仕事を始めたら途中で止まることなく、最後まで集中して進められるのです。

もし、「30分で終わるはず」が2時間になってしまうことが多いなら、まずは仕事を細かく分解し、考える時間を先に終わらせてください。そして、「手を動かす時間」をできるだけ連続して確保してみてください。