「ぜんぜんやる気が出ない」「何もしないのに疲れている」「気づけば今日も何も進まなかった」――そんな日が続くと、「なんで自分はやる気が出ないんだろう」と落ち込んでしまうものです。しかし、その原因は性格ではなく、誰にでも起こりうる心の働きにあるのかもしれません。行動心理学の研究者の池田貴将氏の話題の新刊をもとに、なかなかやる気が出ない人に共通する特徴と、そこから抜け出すためのヒントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

やる気が出ない人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

ワースト1:「できないこと」に目を向ける

「何もしないのに疲れている」
「やろうとは思っているのに、なかなか行動できない」
「時間だけが過ぎてしまい、自分を責めてしまう」

『人生アップデート大全』(池田貴将著)によると、やる気が出ない人には、ある共通した特徴があるといいます。

それは、「できないこと」に意識を向け続けてしまうことです。

「アイデアが浮かばない」
「自分には才能がない」
「発信は苦手だから無理」

そんなふうに考えている間、人は本来できるはずだった小さな行動まで止めてしまいます。

本書では、この状態について次のように説明しています。

ここで問題なのが、「できないこと」を気にしている間は、「できること」を実行できないということ。
――『人生アップデート大全』より

「やってもムダ」がやる気を奪う

人は「できていること」よりも、「できていないこと」に目が向きやすい性質があります。

これは脳が危険や失敗を優先して記憶する「生存バイアス」の影響だと考えられています。

そのため、「あれもダメ」「これも苦手」と考え続けるほど、行動するエネルギーは失われていくのです。

本書によると、こうした状態が続くと、心理学でいう「学習性無力感」に陥る可能性があるといいます。

学習性無力感とは、心理学者マーティン・セリグマンが提唱した概念で、「何をしてもムダだ」と感じ、努力する意欲そのものを失ってしまう心理状態のことです。

「できない」と思い込んでいると「できる可能性があること」にまで手を伸ばせなくなってしまう

本書では、参加者に「絶対に解けない問題」を解かせた後、「やり方を変えれば解ける問題」を与えた実験を紹介しています。

一度「どうせ無理だ」と学習すると、解決できる状況になっても挑戦をあきらめたり、うまくいかない方法を続けたりする傾向が見られたそうです。

つまり、「できない」と思い込んでいる人ほど、「できる可能性があること」にまで手を伸ばせなくなってしまうのです。

やる気を取り戻すコツは「今できること」に集中すること

では、どうすればこの悪循環から抜け出せるのでしょうか。

著者は、意外なほどシンプルな考え方を勧めています。

「できないことはできないから、あえてやろうとしない。できることはできるんだから、さっさとやればいい」
――『人生アップデート大全』より

大切なのは、「今コントロールできること」に集中することです。

未来の大きな成果はコントロールできません。

しかし、「今から20分だけ調べる」「1行だけ書く」「1人に相談する」といった行動は、自分で選ぶことができます。

本書では、「今できることに集中する」と「今の自分にはできないと思う目標を持つ」ことは矛盾しないと述べています。

まずは今できることを積み重ね、その先で少し背伸びした目標に挑戦する。

その繰り返しが、人を成長へと導いていくのです。

(本稿は『人生アップデート大全』を元に作成したオリジナル記事です)