「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」といっている。
「頭の回転が速い人の特徴」とは? ライター照宮氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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インタビュー現場で自分の限界を知った日
以前、著者へのインタビューを任されたとき、同席していた担当編集者の質問力の高さに圧倒されたことがある。
私はインタビュー前に本を読み込み、質問表を準備して臨む。
ところがその編集者は、インタビュー中、著者の話の流れに絡めて、事前に考えていない質問をさらりと差し込んでくる。
しかもそれが毎回精度の高い質問で、インタビューをぐっと盛り上げるのだ。
そんな芸当、自分にはとてもできない! もし的外れな質問をして著者を困らせでもしたら!! ――そう考えると、手元の質問表から外れることがどうしてもできなかった。
次々アイデアが出てくる人が密かにやっていること
迷いのない経営判断の速さで多くのビジネスパーソンから注目される木下勝寿氏は、著書『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
アイデアはひらめいたり思いついたりするものではなく「思考アルゴリズム(考え方のクセ)」によって導き出すもの。
――『地頭スイッチ』より
本書によれば、地頭モードで考える人には思考の型がある。
目的・現状・条件(モゲジョ)を把握したうえで、今この場面で何をすべきかを導き出す。だから場の流れが変わっても、次の一手が出てくる。
準備した質問表は、想定通りの展開にしか対応できない。
話が予想外の方向に動いたとき、手が止まるのはセンスがないからではなく、その場で答えを導き出す「考え方のクセ(思考アルゴリズム)」がまだ身についていないからだ。
逆に、地頭スイッチが入っている人は、どんな状況でも考え続けられる。
「ひらめき」より「思考の型」
羨ましいと感じていた編集者と私の差は、才能ではなく、「考え方のクセ」を持っているかどうかの差だった。
本書が教えてくれるのは、「ひらめき」を待ち続けるより「思考の型」を育てるのが大事ということだ。
自分には無理だと思ってあきらめていたことが、実は学べるものだったと気づかせてくれる1冊だ。








