「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。
地頭がいい人と地頭が悪い人のあまりにも残酷な境界線とは? ライター小川晶子氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・寺田庸二)

「地頭のいい人」と「地頭の悪い人」を残酷に分断する、たった1つの違い。Photo: Adobe Stock

地頭のいい人がうらやましい

「地頭のいい人」がうらやましい、と思ったことはないだろうか。
「地頭がいい」とは、学力に関係なく、元々の頭がいいから何でも的確な対応ができるというイメージがある。

私は真面目に勉強すればテストでいい点数を取れたが、残念ながら自分が「頭がいい」と思ったことはない。「真面目だな」とは思うけれど。

事前に対策がとれないものに関して、その場でぱっと理解し、最善の対応ができる人こそ頭のいい人であり、うらやましいと思うのだ。

地頭とは「状態」のこと

そう思っていたら、『地頭スイッチ』という本にいいことが書いてあるのが目に入った。

私は経営者としてたくさんの人と接しながら振り返る中で、“ある奇妙な事実”に気づきました。
それは、「地頭がいい人」と「地頭が悪い人」が別々の人間として存在しているわけではなく、同じ人間の中に「地頭がいいとき」と「地頭が悪いとき」が同居しているということです。

――『地頭スイッチ』より

著者の木下勝寿氏は、創業した会社を類まれなる経営手腕で東証プライムに上場させ、一代で時価総額1000億円企業に育てたすごい人。
数々のベストセラーも出しており、私に言わせれば「地頭のいい人」以外の何者でもない。

ところが、そんな木下氏もプライベートでは、旅行の計画がヘタだったり、買い物では余計なものを買ったりとポンコツなときがよくあるらしい。

そう言われてみれば、誰しも常にポンコツなわけではなく、「スター状態のマリオ」のときだってあるだろう。
まれにだが私にも「冴えてる!」というときがある。

なぜかといえば、地頭とは「能力」ではなく「状態」だからだ。

スイッチの「場所」と「押し方」を知ろう

木下氏は「地頭がいい人」と「地頭が悪い人」をこう整理している。

「地頭がいい人」とは、「地頭モード」のスイッチを適切に入れられる人のこと。
逆に「地頭が悪い」と悩んでいる人は、元々の能力が低いわけではなく、スイッチの場所や押し方をまだ知らないだけ。

――『地頭スイッチ』より

スイッチの場所と押し方さえわかれば、誰でも「地頭のいい状態」になれるというわけだ。

本書で示しているのは次の3つのスイッチである。

◎【第1のスイッチ】「モゲジョの法則」
地頭の基礎となるスイッチ。モゲジョとは、「目的・現状・条件」の頭文字。
言われたことをそのまま実行する作業者ではなく、モゲジョを考える「思考回路」をオンにする。

◎【第2のスイッチ】「目的さかのぼりの法則」
視座を高める「リーダー・スイッチ」。目的を階段のようにさかのぼっていくことで、上司や経営者と同じ景色を見ることができる。

◎【第3のスイッチ】「逆算思考の法則」
常識を覆す成果を生み出す「ブレイクスルー・スイッチ」。
このスイッチが入ると、「現状の延長線上」にある限界を突破して「ウルトラC」を生み出せるようになる。

これら3つのスイッチによって、誰でも「地頭のいい状態」になることが可能だという。

「地頭のいい人がうらやましい」と思ったことのある人は、ぜひ本書で「3つのスイッチ」を確認してほしい。